インデックス投資とは、特定の株価指数(S&P 500など)に連動する投資信託を買い、市場全体の成長をそのまま取りにいく投資手法である。この記事では、インデックス投資を始める前に多くの人が迷いやすい「どのインデックス(指数)を選ぶか」「どう買うか」「どう続けるか」という3つのポイントを、初心者向けに体系的に整理している。
まず、インデックス投資は、銘柄選びに自信がない初心者でも比較的取り組みやすい投資手法とされている。投資を始めたいが不安を感じている人にとって、有力な選択肢の一つだ。
もちろん、これには正しい点と注意すべき点の両方が含まれる。
正しい点は、銘柄選びなどに自信がない人でも、証券会社に入金するだけで比較的簡単に始められ、市場平均に連動したリターンを得られる点である。市場平均の利回りは想像以上に高いことも多く、世界で最も人気のある株価指数であるS&P 500では、将来を保証するものではないが、過去データ上では過去10年平均で約13.5%(ドル建て)となっている。
仮に1,000万円を運用していた場合、単純計算では年間約135万円、月あたり約11万円に相当するリターンとなる(税引前)。個別銘柄を選定する必要がなく、特別な売買を行わずとも、市場平均の成長を享受できる点がインデックス投資の特徴だ。
注意すべき点は、インデックス投資を継続していくのはそこまで簡単ではないということだ。投資家として心理面などの理解をしたほうが継続性が高くなる。
もし、あなたが株式投資で短期間で資産を10倍にしたいということであればインデックス投資では不可能だ(尚、前述の年間13.5%のリターンだと、10年間運用すると約3.1倍になる)。短期間で資産を10倍にしたいならばアクティブ投資(自己裁量による取引)のグロース株投資や低位株投資しかない。もちろん難易度は高い。
ここからは、インデックス投資を始める前に押さえておきたい3つのポイントを順番に紹介する。
インデックス投資ではどの指数を選ぶべきか?
インデックス投資を始めるにあたって、最初に迷いやすいのが「どのインデックス(指数)を選ぶか」という点である。
指数はまず、資産クラスと地域で選ぶ。資産クラスとは、株式、債券、不動産(REIT)、金などの投資商品の種類である。地域とは、米国、日本、先進国、新興国などであり、選ばない=全世界という選択肢もある。整理すると以下になる。
資産クラス=株式で、地域=米国であれば、S&P 500、NASDAQ 100、全米株式という3つの選択肢に絞られる。
資産クラス=株式で、地域=日本であれば、日経平均株価(日経225)、もしくは、TOPIXの2つの選択肢に絞られる。
資産クラス=株式で、地域=全世界であれば、オルカン(MSCI ACWI)という選択肢になる。
資産クラス=債券で、地域=先進国であれば、FTSE世界国債インデックスという選択肢になる。
資産クラス=不動産で、地域=日本であれば、東証REIT指数という選択肢になる。
どのインデックス(指数)を選べばいいの?
まず資産クラスで言えば圧倒的に株式が人気であり、以下の3つ株式指数から検討することになる。
・投資されている金額という意味では、一番人気であるのはS&P 500である。
・初心者にはオルカンが人気である。
・日本株だったらTOPIXのほうが日経平均よりも資産残高が多いが、2つの指数はそこまで変わらない。
初心者には商品も多く一番有名であるS&P 500をお勧めする。
より深く最も人気のS&P 500との比較をしたければ以下の三つの記事が参考になる。
・S&P 500とオルカンはどちらを選ぶべきか?
・S&P 500とNASDAQ 100はどちらを選ぶべきか?
・日経平均とS&P 500はどっちを選ぶべきか?
この指数を含めて主要な株式指数を一気に比較したい場合は「インデックス投資信託の選び方 - 6大インデックスの利回り評価」が参考になる。
また、迷った場合には組み合わせて買うのが良いだろう。多くの投資信託の最小購買金額は100円なので、迷う場合は全部同じ量を買っても良いだろう。
同じインデックスを対象にしたいろいろなファンドが発売されているがどれが良いの?
S&P 500連動投資信託でもメジャーなものだけで6種類出ている。ほぼ一緒であるが微妙に違う、つまり、迷うということだろう。最初の内は、運用残高が多いものを選んだほうが安心だ。同じような投資信託があった場合の選び方は「投資信託の選び方 - S&P 500連動インデックスファンドはどれが得か?」を参考にしてほしい。
尚、S&P 500とオルカン、TOPIXであれば三菱UFJアセットマネジメントが運営するeMAXIS Slimという商品の運用残高が大きい。NASDAQ 100や日経平均だとニッセイアセットマネジメントが運営するインデックスファンドが投資残高が大きい。
全くよくわからない人にお勧めの商品
ここまで読んで全く理解ができないが、とにかくインデックス投資はやってみたいという人もいるだろう。そのような超初心者向けにインデックスファンドを使ったポートフォリオを簡単に実現してくれるのがロボアドをお勧めしたい。
手数料が高いのは難点だが、簡単に始められるという意味ではロボアドに勝るものはない。
どのようにしてインデックス投資の買うか?|積立とバイアンドホールド
インデックス投資における賢い買い方は積立投資であり、また、売ったり買ったりというトレードをしない投資手法、バイアンドホールド(買ったら売らない)というスタイルになる。
積立投資とは?
積立投資とは長期間にわたって一定の金額を定期的に投資する方法だ。多くの場合は証券会社の定期積立機能が準備されている。この積立投資は、ドルコスト平均法といわれる、市場の価格変動リスクを分散し、平均購入価格を抑える効果がある。
ドルコスト平均法のドルはお金という意味である。買うタイミングを分散することで、機械的に購入にかかるお金が平均化される=高値掴みを避ける効果がある。
バイアンドホールドとは?
バイアンドホールドは、基本的には買ったら売らないずっと持ち続けること。これにより、短期的な市場の変動の影響を受けずに、右肩上がりの長期的な経済的な成長を享受できるという利点がある。
投資というと売ったり買ったりすること(トレード)という印象があるが、とにかくインデックス投資は「ほったらかす」投資手法である。
インデックス投資を続ける方法|不安を減らす考え方
知りたいこと2でも紹介したが、インデックス投資はとにかく続けることが重要である。そして、インデックス投資はとにかく「続けるのが難しい」とも言われている。
とにかく入金して淡々と積立てていくだけで、投資しているという実感がわきにくい。そのため、ちょっと儲かると怖くなり売ってしまい、ちょっと損すると怖くなり売ってしまう。また、株式市場には定期的に暴落もあるため、そこで持ち続けにくいということになる。
投資判断を自分で行っている実感が持ちにくいことも、一因として考えられる。主要株式インデックスは、前述のような大きなリターンを出しているのは事実であるが、それをすべての人が享受できているか?というと話は別である。
インデックス投資を続けるために重要なことは何?
インデックス投資は、理論上は「続けさえすれば報われる」。それにもかかわらず、相場が下落する局面では、SNS上でインデックス投資を売却したという体験談が多く共有される。「タイミングを考えた結果」「リスク管理の一環」として説明されることが多い。
続けるためにはインデックス投資への納得感(理論的な理解)が重要だ。
金融理論: 効率的市場仮説
必ず資産形成に成功するという信じる力を培うためには、インデックス投資の理論的背景である「効率的市場仮説 」について理解するのが良いだろう。
この理論では「市場はすぐにすべてを織り込む=市場を出し抜くことができない」と定義されている。にわかに信じがたいが、ほったらかしのインデックス投資に対して、給料が高く知識が豊富なファンドマネージャーもなかなか勝つのが難しいというのは、インデックスファンドとアクティブファンド - 勝率が高いのはどっち?という記事で紹介しているので参考にしてほしい。
行動経済学: プロスペクト理論と含み益バリア
含み益バリアとは、投資資産が一時的に下落しても、評価額が依然としてプラス圏にあることで保たれる心理的な安全域のことを指す。
人間はプロスペクト理論が示す通り、同じ金額でも利益より損失に強い痛みを感じる性質を持つ。そのため、含み損が発生すると、理論的には問題がなくても強い不安や恐怖を感じやすい。
積立投資の初期は含み益が小さく、わずかな下落でも含み損に転じやすいため、この心理的負荷が最大化する。一方、含み益バリアが形成されると、価格変動があっても「まだ増えている」という認識が不安を和らげ、冷静な判断を保ちやすくなる。
長期投資を継続するうえで、含み益バリアは感情面から投資行動を支える重要な役割を果たす。
まとめ|インデックス投資は「正しい順番」で理解すれば怖くない
この記事では、「どの指数を選ぶか→どう買うか→どう続けるか」という3つの視点から、初心者が最初につまずきやすいポイントを整理してきた。インデックス投資は、個別銘柄選択の難しさを避け、市場全体の成長をそのまま取りにいく合理的な投資手法である。
一方で、理論的に正しいと分かっていても、価格変動による不安から途中でやめてしまう人が多いのも事実だ。その背景には、人間が損失を強く嫌うという心理的特性がある。
インデックス投資を続けるために重要なのは、短期的な値動きに耐えることではなく、なぜ不安を感じるのかを理論的に理解することだ。効率的市場仮説やプロスペクト理論を知ることで、投資行動に納得感が生まれ、長期的に継続しやすくなる。
ここまで理解できたら、次は自分の悩みに近いテーマから理解を深めてほしい。指数選びに迷っている人、不安で続けられない人、理論的な裏付けを知りたい人向けに、それぞれ詳しく解説した関連記事を用意している。インデックス投資もっと知りたい方は「インデックス投資に勝つためのインデックス投資術:レバレッジ、バランス、集中、オプションなど」も閲覧してほしい。
