インデックス投資(パッシブ投資)とは、株価指数(インデックス:市場の平均)に連動した成果を得る投資戦略である。膨大な個別銘柄の中から投資戦略を立てる必要はなく、簡単に始められることから、初心者から上級者まで昨今人気が高まっている投資手法だ。
インデックス投資の良いところは、何も投資判断をしなくても経済成長をそのまま享受できること。悪いところは、リターンは市場の平均になるため、少額資金で一発逆転という訳にはいかない。それはアクティブ投資(自己裁量による取引)の領域になる。
この記事では投資手法としてのインデックス投資を始め方を2ステップで解説する。その1はどのインデックスを選ぶべきかと、その2は、買い方である。
ステップ1: どのインデックス(株価指数)にするか?
まずはどのインデックス(株価指数)を選ぶかを決めないといけない。
指数はまず、資産クラスと地域で選ぶ。資産クラスとは、株式、債券、不動産(REIT)、金などの種類である。地域とは、米国、日本、先進国、新興国などであり、選ばない=全世界という選択肢もある。整理すると以下になる。
資産クラス=株式で、地域=米国であれば、S&P 500、NASDAQ 100、全米株式という3つの選択肢に絞られる。
資産クラス=株式で、地域=日本であれば、日経平均株価(日経225)、もしくは、TOPIXの2つの選択肢に絞られる。
資産クラス=株式で、地域=全世界であれば、オルカン(MSCI ACWI)という選択肢になる。
資産クラス=債券で、地域=先進国であれば、FTSE世界国債インデックスという選択肢になる。
どのインデックスが人気なの?
まず資産クラスで言えば圧倒的に株式が人気であり、その中でも、以下の3つ株式指数から選ぶことになるだろう。
・投資されている金額という意味では、一番人気であるのはS&P 500である。
・インデックス投資を始めた方にはオルカンが人気である。
・日本株だったらTOPIXのほうが日経平均よりも資産残高が多いのでお勧めだ。
この3つで迷ったらより包括的に6大指数S&P 500、NASDAQ 100、ダウ平均、オルカン、日経平均、TOPIXを整理した比較記事が参考になる。より深く最も人気のS&P 500との比較をしたければ以下の三つの記事が参考なる。
・S&P 500とオルカンはどちらを選ぶべきか?
・S&P 500とNASDAQ 100はどちらを選ぶべきか?
・日経平均とS&P 500はどっちを選ぶべきか?
実際には、どれか一つ選ぶのではなく、組み合わせて買うのが良いだろう。多くの投資信託の最小購買金額は100円なので、迷う場合は全部同じ量を買っても良いだろう。
同じインデックスなのにいろいろな運用会社からはインデックスファンドが発売されているがどれが良いの?
S&P 500連動投資信託でもメジャーなものだけで6種類出ている。これらは、ほぼ一緒だであるが微妙に違う、よって迷うということだろう。最初の内は、投資残高が多いものを選んだほうが安心だ。同じような投資信託があった場合の選び方はこちらを参考にしてほしい。
オルカンとS&P 500、TOPIXであれば三菱UFJアセットマネジメントが運営するeMAXIS Slimという投資残高が大きい。NASDAQ 100や日経平均だとニッセイアセットマネジメントが運営するインデックスファンドが投資残高が大きい。
ステップ2: インデックス投資の買い方: 積立投資(ドルコスト平均法)とバイアンドホールド
インデックス投資の買い方は、積立投資ととにかく売らないバイアンドホールドだ。
積立投資とは?
積立投資とは長期間にわたって一定の金額を定期的に投資する方法だ。多くの場合は証券会社の定期積立機能が準備されている。この積立投資は、ドルコスト平均法といわれる、市場の価格変動リスクを分散し、平均購入価格を抑える効果がある。
ドルコスト平均法のドルはお金という意味である。買うタイミングを分散することで、機械的に購入にかかるお金が平均化される=高値掴みを避ける効果がある。
バイアンドホールドとは?
バイアンドホールドはインデックス投資だけでなくあらゆる場面で使うことができるが、インデックス投資でよく使われる。基本的には買ったら売らないずっと持ち続けること。これにより、短期的な市場の変動の影響を受けずに、右肩上がりの長期的な経済的な成長を享受できるという利点がある。
インデックス投資を続けるために
インデックス投資はつまらないと言われている。とにかく入金して淡々と積立てていくだけで、投資しているという実感がわかない人も多いと思う。そこで、重要なのはインデックス投資への納得感。まずは、インデックス投資の理論的背景である「効率的市場仮説 」について理解するのが良いだろう。
この理論では「市場はすぐにすべてを織り込む=市場を出し抜くことができない」としていて、ほぼ何もしないインデックス投資に対して、天才のファンドマネージャーもなかなか勝つのが難しいとしている。そして、それは、インデックスファンドとアクティブファンド - 勝率が高いのはどっち?という記事でも実証されているので是非読んでほしい。
また、インデックス投資を極めたいという方は、インデックス投資を深く知るも閲覧してほしい。