俗説であるが9割の人は株式トレードで損しているという。特に株初心者であれば初心者であるほど損をしているともいう。そこで「損から学べ」ということで新NISAで投資を始めた人が2024年前半に投資損を被った3つの事例を紹介したい。
高配当株で投資損：あおぞら銀行ショック (2/1)
新NISAがスタートした時期には高配当株投資という戦略では大人気であったあおぞら銀行（8304）。その理由は、日本株では珍しく四半期ごとに配当を出すからだ。もちろん配当率も高い。1月31日に発行された日経平均高配当利回り株ファンド1のレポートを見ると配当利回りが4.7％と記載してある。このファンドは大型株かつ高配当株である30銘柄に投資をしているが、その中であおぞら銀行は日本たばこに続いて2位の配当利回りを誇っている。
高配当株が突如無配に
そのあおぞら銀行は、2024年2月1日に突如として無配になることを発表。株価は急落した。高配当株として様々な雑誌に紹介されていたこともあり、新NISAでとりあえず株をと考えた人が被弾してしまった。
被害もっと拡大したのは、急落した後一時的に株価が回復するという現状が繰り返されたこと。1番底（1）から短期的に回復して（2）、最安値をつけたのは2番底といわれる部分（3）である。話題になった急落直後の1番底に買った人の中にはこの2番底に耐えられずに売った人も多いだろう。
さらにまた急激に株価が戻り（4）また下落した。5月末現在の株価はヨコヨコになっている。
https://yhoo.it/41VzeNU (Yahoo Finaceより)
インデックスで投資損：日経平均10％程度下落（3月末から4月下旬）
新NISAがスタートした2024年1月1日時点で、日経平均がバブル時の最高値（3万8915円）を超えられるというかといことについては五分五分という認識だった（1）2。
その後、日経平均は続伸し、 2月22日に3万9156円97銭を付けて史上最高値を更新した（2）。この過程で一気にマーケットに強気感＆至福感が広がった。高値は高値を呼ぶ。マーケットは上がり続け、3月22日には4万0888円を付けるまで成長し（3）、約5か月間で＋33％と力ず良いパフォーマンスを見せた。この時点では日本株完全復活ということで株高を予測しないほうとブームに乗れていないというような日本株ブームが到来していた。
株価は上がれば下がるのだ。4月下旬に向けて約9%の下落が4週間にわたって起こった。約5か月間で＋33％のパフォーマンスに比べると、たった1か月間、たった10％の下落である。この下落の中で日経平均に
ただし、人間が損に耐えられるかとは別である。特に初心者であればあるほどだ。2024年から株を始めた人は、日経平均の最高値でマーケットに戻ってきた人はこの下落局面で損切をした人も多いだろう。
現在マーケットは以前よりヨコヨコ間が強いし、最高値をいつ更新するかは不透明であるが、いずれにしても短期トレードに終始していると常に損切を強いられる。株は上がれば下がるし、下がれば上がるのだ。
日経平均が最高値を更新した時事ネタよりもじっくりとマーケットを見たほうが良いという例だ。
https://yhoo.it/41VzeNU (Yahoo Finaceより)
超大型株で投資損：NTTの株価下落（個別株は怖い）
新NISAが始まり個人投資家に人気が出たのはNTT株。その理由は、3つある。
・2023年7月に1株を25株に分割したことによって1単元＝投資単位が1万5000円（株価が150円の場合）となり投資がしやすくなった
・みんなが知っている企業で安定感があるインフラ企業、つまり、デフェンシブ銘柄で損をしにくいイメージがある
・3.5％程度ある高配当株
つまり、NTT株はまさに初心者が買いやすい株なのだ。ただし、買いやすい＝株価が上がるとは限らない。
新NISAが始まって以来10％程度上がった株価（192.1円）は、そこから比べると5.5か月後の6月末には-15%。4月末(170.8円)から5月中旬までの2週間程度で-10%(151.8円)、1.5か月で-14%（144.9円）ほど下がった。その後株価は若干持ち直している。
株価の下落の理由はいろいろと言われている。
・決算が冴えなかったことで外国人投資家が売った。
・25分割の影響と新NISAの影響で個人投資家が増えて株価が上がりすぎた。
株価解説は基本的に後付けだ。株価が上がれば投資家の期待が高まっていると解説し、下がれば失望が広がったという。もし、それがわかっているのであれば先に教えてほしいという人が多いだろう。
NTTの株価の下落は、安易にブームに乗らないで自分自身で投資について考える必要があることを教えている。
https://yhoo.it/3R4RakV(Yahoo Finaceより)