年収800万円で幸福度は頭打ちにはならない - 最新研究で覆されたお金と幸せの関係

2026年4月3日

タケボウ

兼業個人投資家 - S&P500投信を中心に約1億円運用中。2018年から継続中のインデックス積立と裁量取引の二刀流 - 個別株や株式指数の取引も行う。債券、金投信、ビットコイン、REITだけでなく、1Rマンションまで様々なアセットクラスを保有。

年収800万円で幸福度は頭打ちそれ以上稼いでも意味がないという話を聞いたことはないだろうか?

これは、インターネット上で広く解説されている説であるが、年収800万円までは、年収アップが幸福度に直結するが、それ以上年収が上がっても幸福度は上がらないという説だ。

これの説は、2010年に発表されたアメリカの研究を元に書かれているが、後続研究が発表され、この事実は2023年に打消されている。現在は「お金があればあるほど幸せになれるが、それが成立するためには、そもそも幸せな人でないといけない」としている。これはどういうことなのか?

この記事では「幸せはお金で買えるのか?」について検証と、投資をすることでなぜ幸せにつながるのかを考えていきたい。

従来の説:年収800万円で幸福度は頭打ち?

そもそも「お金で幸せは買えるのか?」という問いに対し、2010年に米国で発表された有名な論文「高収入は人生に対する評価を高めるが、精神的な幸福感には影響しない1という物がある。

この論文は、人生の満足感を2つに分けて分析している。1つは、自分の人生全体の満足度を示す「人生評価」である。もう1つは日々の感情である「精神的な幸福感」である。

この論文では約45万人の米国人データを分析し、人は、収入が増えれば増えるほど、人生評価を高める、としている。つまり、収入が高くなれば高くなるほど、自分の人生が成功だったと人は思うということだ。ここにおいては、収入に頭打ちはない。

その一方、収入が上がっても「日常的な精神的な幸福感」の向上には頭打ちがあるとされた。具体的には、年収約7万5,000ドルまでは、精神的な幸福感は収入に応じて向上するが、それ以上では頭打ちになる傾向が観察されると結論づけている。

年収800万円で幸福度は頭打ちの論拠は?

この年収約7万5,000ドルを当時の生活水準で調整した結果、年収800万円という数字になり、日本では、
年収800万円以上稼いでも、それ以上は幸福にはならない
という説が生まれてきたのであろう。

なお、低所得は病気や、離婚、孤独などの不幸の影響を強めることも確認されているため、ある程度の年収を得ることは非常に重要であるということだけは補足しておこう。

最新研究でわかった新事実:年収の幸福貢献は800万円を超えて継続する

ただし、この結論は、2023年に論文「収入と精神的幸福:解決済みの対立」2によって否定された。

結論は、収入が上がれば上がるだけ、日常的な幸福感も上がる。つまり、頭打ちにはならないということであった。ただし、頭打ちになるケースもあり、それは、日々不幸な感情を抱えている人は、年収800万円以上稼いでも、それ以上幸せにならないということであった。

この研究によると
幸福な人:お金を持てば持つほど、幸せ度が上がる。
普通の人:お金を持てば持つほど幸せ度が上がるが、限界効用、つまり、その効果は徐々に減る
不幸な人:約10万ドル付近(生活水準ベースで800万円程度)で、幸せ度向上が停滞
という結果が明らかにされた。

不幸な人とは?年収800万円で幸福度が頭打ちになる人の特徴

この研究では、人の不幸度を「その人がどれだけ日々ネガティブな感情を感じているか?」で計測している。ネガティブな感情になる理由については調査はされていないが、一般的には、以下のような非金銭的な要因が大きい。

メンタルヘルスの課題:慢性的なストレスがある
良好な人間関係に問題がある
健康問題を抱えている
孤独・不安が強い
仕事が不安定、もしくは、仕事に支配されており、生活を自分で決めることができない

つまり、心に余裕がなくとにかく追い詰められて稼ぎまくるという行為は幸せにつながってないともいえる。

結論:投資が人を幸せにする理由

投資は、労働時間とは関係なく入ってくる収入である。つまり、心の余裕を保ちながら得れる収入だ。投資で得た収入で、年収800万円レベルをより低い年収で実現させ、余裕がある不幸ではない人生を送れるのではないだろうか?

投資にはいろいろな種類があるが、まずは、インデックス投資から始めるのがお勧めである。是非とも以下の記事を参考にして、投資デビューをしてほしい。

  1. High income improves evaluation of life but not emotional well-being | PNAS ↩︎
  2. Income and emotional well-being: A conflict resolved | PNAS ↩︎