インデックス投資に勝つためのインデックス投資術:レバレッジ、バランス、集中、オプションなど

2025年12月30日

マーケットではインデックス投資に勝つためには、グロース株投資低位株投資といった難易度が高いアクティブ投資を成功させるしかないという論調が占めている。現在、インデックス投資は、単なる株式指数に連携するファンドという枠を超えて、様々な方向に発展している。

その目的は、S&P 500のようなメージャーインデックスに利益で勝つためと言えるだろう。この記事では、インデックス投資に勝つためのインデックス投資商品を5つ解説している。

その1では、より高い利回りを目指してレバレッジをかけたレバレッジインデックス投信、その2では、下落対策として複数の資産クラスを組み合わせたバランスファンド、その3では、その1とその2を掛け合わせたレバレッジバランスファンドを紹介する。

その4では、インデックス投資の一つの特徴である分散を無視し、逆に集中することでパフォーマンスを上げようとするファンド、その5では、オプション取引を混ぜたファンドを紹介する。

尚、インデックス投資の基礎としては「インデックス投資を始める前に知りたい3つのこと」を参考にしてほしい。

レバレッジ(インデックス)ファンドとバランス(インデックス)ファンド

その1: レバレッジファンドとツミレバ

レバレッジ投資信託を積立てするという投資戦略、ツミレバ(ツミタテをレバレッジ商品で行うこと)を紹介したい。

レバレッジ投資信託というのは、先物などを使って値動きを2倍にした商品。基本的には株式市場は右肩上がりなので、資産形成の速度を早まる効果が期待できる。

ただし、値動きが2倍と言っても、商品設計上あくまでも毎日の値動きに対して2倍の値動きをする。2日以上運用すると、逓減といわれる指数に対して2倍よりもパフォーマンスが悪くなっていくという現象が発生することもある。逆に2倍以上になるケースもあり、すべては値動き次第ということになるが、長期的に資産上昇、もしくは、下落が2倍になると約束されたわけでない。こちらについては「レバレッジ投資信託を考える」という記事が参考になる。

長期的に積立てと逓減があるレバレッジ製品は相性が悪いという説もあるが、過去のバックテストによると必ずしもそうとは言えない。その結果、NASDAQ100を対象とした2倍レバレッジ商品の「レバナス」はかなり人気がある。尚、一般的なインデックスファンドで最も人気があるS&P 500のレバレッジ投資信託は、NASDAQ 100に比べてあまり人気がない

その2: バランスファンド、自動的にアセットアロケーションを実現する

まずは、インデックス投資は株式指数に投資することが中心だ。ただし、下落耐性をつけるために例えば債券のインデックスファンドをある一定量混ぜることも検討するべきだろう。

というもの株式はどうしても大きな下落局面が訪れる。その時に売らずに保持していくこと、インデックス投資を続けていくことが重要になる。

ここで出てくるのが、アセットアロケーションである。投資資産(アセット)を異なる資産クラスやカテゴリに分散する(アロケーション)こと。具体的には、株式、債券、不動産、商品、現金などの配分を決めることだ。

これを自動的に実現するのがバランスファンドである。国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リートおよび先進国リートの8つの指数に連携しながら、それぞれに自動的に12.5%づつ振り分ける、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)というファンドが存在する。

ロボアドも、このバランスファンドの一種である。ロボアドとは、個人のライフステージに合わせて、インデックスファンド(具体的な中身は様々なETFである)を自動的にアセットアロケーションを実施するファンドである。バランスファンドと単なる株式指数のファンドどちらが良いかは「投資初心者向け投資: ロボアドだけとオルカンだけはどちらが良いのか?」が参考になる。

その3: レバレッジバランスファンド

その1とその2を掛け合わせたレバレッジバランスファンドというものが存在する。

最近では、金と株式を組み合わせたファンドが人気がある。株式指数(S&P500)と金を組み合わせた「Tracers S&P500ゴールドプラス」などである。このファンドでは、投資金額1円に対して、1円のS&P500投信と1円の金投信を運用する、つまり、2倍のレバレッジがかかっている。

大人気の理由はパフォーマンスが良いから。つまり、金と株式が両方値上がりしているからだ。

尚、歴史的には株式と債券が投資の王道だ。米国債と米国株式をミックスしてレバレッジをかけた「楽天・米国レバレッジバランス・ファンド」というものが存在する。株式+金よりもこちらの方が王道ということだが、米国債のパフォーマンスが悪くパフォーマンスが良くないため、人気化はしてない。

その4: 値動きが大きいインデックスファンド

よりリターンを追うためには、そもそも値動きが大きい株価指数の連動ファンドに注目すべきだろう。

含まれる企業が10社程度と少ないインデックス

S&P 500は500社を対象としているが、それをより集約したもの、例えば、トップ10社のみに絞ったファンドは値動きは激しくなる。これによって大きなリターンを得ようという戦略だ。Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)などがこの戦略のファンドになる(この戦略は「S&P 500を超える最強インデックス: S&P 10、S&P 50、S&P 100の驚異のパフォーマンス」が参考になる)。

また、テクノロジーセクターを絞り10社にしたiFreeNEXT FANG+インデックスなども人気がある。これらもインデックスファンドである。

そもそもの値動きが多い企業を集めたインデックス

米国を代表する30社の半導体銘柄を集めたSOX指数というインデックスがある。半導体銘柄は景気敏感銘柄で、景気が良い時にはとてつもなく上がる。そして、その逆の時は下がる。つまり、値動きが大きいのである。

このような指数を長期間積立てすることで大きなリターンを目指すやり方もある。

その5: カバードコールファンド

インデックス投資にオプション取引を混ぜたのがカバードコールファンドだ。

インデックスファンドを原資にコールオプション(株を買う権利)を売ることで、プレミアム(オプション販売収益)を得る投資手法。コールオプションを売るということは、
上昇幅の限定される:株価がある一定額以上に上昇した場合その利益は受取れない
その引き換えに一定の収入が得られる:株価に関係なくオプションプレミアムは受取れる
ということを意味する。

つまり、下落対策=プレミアムによって配当利益を出すという戦略だ。QYLDというファンドが日本でも人気になったことから一気に注目された。愛称は、カバコである。

番外編: インデックス(株式指数)を使ったアクティブ運用

インデックスにレバレッジをかけて大きな値動きを出し、日々裁量取引でトレードをするというインデックスを使ったアクティブ運用というエリアもある。これについては、日経平均先物や、前述のSOXの3倍レバレッジ商品であるSOXLなどが人気である。これらはインデックスを使っているが、パッシブ投資としてのインデックス投資ではない。

このようにインデックス投資には、様々な方向で進化している。インデックス投資は単純なようで非常に奥が深いのである。