S&P500はどのくらい下落する?過去30年のデータで見る下落の頻度

タケボウ

兼業個人投資家 - S&P500投信を中心に約1億円運用中。2018年から継続中のインデックス積立と裁量取引の二刀流 - 個別株や株式指数の取引も行う。債券、金投信、ビットコイン、REITだけでなく、1Rマンションまで様々なアセットクラスを保有。

インデックス投資をやるうえで気になるのが「どのくらい下落に耐えなくてはいけないか?」ということだ。

この下落と言ってもいろいろな定義があるが、自分が持っていた資産がピークからどのくらい落ちたか?というのが投資心理と言えよう。これに関連する定義としては、年始終値を起点としたドローダウン回数が最もしっくりくる定義だ。

この定義に従えば、インデックス投資先として人気のS&P 500指数を使って言うと、5%以上の下落は、1年間で1.7回起こり、10%以上の下落は、1.7年に1回起こる計算である。

私も長らくインデックス投資を続けているが、5%以上の下落は年に2回ぐらい起こる恒例イベントだと思うことで、下落時の心理的なダメージが軽減すると考えている。最初から結末を知っておく重要性ということだ。

年始終値を起点としたドローダウンとは?

年初終値の100として株価が直近の高値から一時的にどれだけ下落しているか=ドローダウンしているのかを示したチャートが以下のドローダウンチャートである。

例えば資産は最大値で100万円あったとする。ドローダウンが10%となると、資産が90万円だ。このドローダウンはいくら儲かっているかではなく、最大値からいくら減ったかという数値で、投資のダメージを受けている心理状況と密接にリンクした指標である。

以下が、2025年のS&P 500の年始終値起点のドローダウンチャートであり、-5%のドローダウンが2回、-10%のドローダウンが1回とカウントされる。1回、最高値を更新しないとリセットされないため、灰色の部分はカウントされない。

大幅なドローダウンは不安や焦りを引き起こし、当初の計画に反した「狼狽売り」を誘発する。あらかじめ、歴史的にどの程度のドローダウンが発生しているかを把握し、自身の許容範囲内に収めることが、市場の混乱期においても冷静な判断を保ち、投資を楽しむための鍵となる。

尚、2025年の株価チャートは以下である。全然グラフが違うことがわかる。

過去30年で見る年初終値ベースでのドローダウン数

以下が年間平均のドローダウンイベントの発生回数である。100万円運用していて、5万円以上、一時的に損することは、年に1.7回起こる、普通のイベントだとわかる。-10%となるとやや少なくなるが、それでも1.7年に1回は起こるイベントだ。

尚、パフォーマンスが強い過去10年でも、-5%以上のイベント回数は、1.6回発生と大して変わっていない。

単純リターン平均-5%以上イベント回数-10%以上イベント回数最大ドローダウン単純平均
過去30年間9.6%1.7回0.6回-15.5%
過去20年間9.9%1.7回0.6回-15.3%
過去10年間14.1%1.6回0.6回-14.1%

ドローダウン回数とパフォーマンスはそこまで関係ない?:1997年の場合

1997年は、5%以上のドローダウンが、過去30年で一番多かった4回を記録している。ただし、この年のパフォーマンスは、ドットコムバブルの中頃で過去30年で最もパフォーマンスが良かった年である。

つまり、1997年は過去30年で最も相場が荒れた年と言え、この年のチャートパターンを見ることで、強い投資家マインドを形成することができる。

トランプ大統領大暴れ:-10%以上のドローダウンが過去30年で唯一起こった2018年の話

過去30年で-10%以上のドローダウンが観測されたのは、2018年の第1次トランプ政権の2年目である。この年は、トランプ大統領が謎な関税政策を振り回し、また、FRBに対して何度も利下げ要求を行ったことで、市場は大混乱に陥った。

この2018年のチャートパターンを見ることで、トランプ大統領の言いたい放題に負けない握力が形成できるのではないか?

S&P500のドローダウンに耐えるための考え方

インデックス投資などでは続けることが最重要と言われている。

そのためには、このようなドローダウンのデータを頭に入れながら、落ちることもあるということを理解しながら、インデックス投資を行うことが重要であろう。