インデックス投資

効率的市場仮説 - インデックス投資を薦める訳

効率的市場仮説を一言で言うならば、市場の平均リターン以上のパフォーマンスを出すのは不可能である。よって市場平均であるインデックスファンドを買うのが最もリターンが高い投資方針だということになる。

もしこれが本当であればアクティブファンドは成り立たない。インデックスファンド派が熱く支持する効率的市場仮説を考えていきたい。

効率的市場仮説とは

効率的市場仮説(Efficient Market Hypothesis)は「市場がすべての情報を素早くかつ適切に反映するので、商品の価格はすべての情報を織り込んでいる」という仮説。簡単に言えば、プロであっても市場を出しく抜くことはできない=市場平均を超えたリターンを出し続けることは不可能だということになる。具体的に言えば、アクティブファンドはインデックスファンドには勝てないのである。

この効率的市場仮説のロジックは、
・市場にはプロ・アマチュア含めてたくさんの参加者がいて常に商品の価格について真剣にオークションが行われている
・このような参加者は数多くの情報に触れており、多種多様の新しいニュースが即座に市場に伝わる
・参加者はお金を失いたくないので常に合理的な動きをする
ということから「市場はすぐにすべてを織り込む=市場を出し抜くことができない」というコンセプトだ。

集合知という考え方

集合知とは、集団の知恵(The Wisdom of Crowds)とも言わる。これは、1人の専門家の意見よりも、たくさんの一般人の意見を集めたほうが、より正しい答えを導けるということだ。

これは、効率的市場仮説を逆説的に説明しており「集団で合意形成された商品の値段がその商品の正しい値段」ということになる。誰か一人の市場参加者が価格を決めることはできず、常に市場の中で起こっている予測不能な合意形成が価格を決めているならば、効率的と言えよう。

あくまでも効率的市場”仮説”

ここまで書くと効率的市場仮説は立証された理論のように捉える人もいるかもしれない。ただし、効率的市場仮説は、効率的市場理論ではない。あくまでも”仮説”、つまり、実証された理論ではなく、市場の動きを説明しようとしたコンセプトである。

数多くの反論が寄せられている効率的市場仮説

私は市場平均に勝っているけども何か?

もし効率的市場仮説を丸呑みするのであれば大きな成功を収めた個人投資家やファドマネージャーは存在しないことになる。

最も稼ぐサラリーマンとして名を馳せたヘッジファンドマネージャーの清原達郎氏は個人資産800億円を築き引退した1。個人投資家として、数々の大量保有報告書に名前が出現する五味大輔氏2などの存在などもあり、さすがに効率的市場仮説をそのまま信じることはできない。

無責任に効率的市場仮説を唱えるのでバブルが起きる

効率的ならばバブルは起きない。ただし、実際には何回もバブルが起きている。さらに、むしろこの効率的市場仮説を主張するがあまりにかえって激しいバブルを引き起こし、その崩壊による影響を大きくしているという意見さえもある。

効率的市場仮説では市場はすべて織り込み適切な価格を付けているとしている。市場が過熱している際にこの仮説をあまりに主張すると、今の商品価格は割高であるという声がかき消されてしまう。その結果、バブルはバブルではないとされ、商品の値段がどんどん上がってもそれが正当化される。これがかえってバブルを助長しているという主張だ。

まあまあ効率的市場仮説

それでは効率的市場仮説は正しいのであろうか?完全に効率的というのは無理であるが、まあまあ効率的というのが正しい答えなのではないか?と私は考えている。

例えば「インデックスファンド vs. アクティブファンド」で取り上げた、アクティブファンドはインデックスファンドに勝てるか?というものでは、アメリカ市場において15年という長期で10%ぐらいのアクティブファンドがインデックスファンドに勝利している。

これが意味することは、市場はまあまあ効率的であるが完全に効率的ではないといことだ。

効率化市場仮説は鵜吞みにはできないものの、やはり一般人が資産運用をするならば、まあまあ効率的市場仮説に基づいて、インデックスファンドに投資するのが良いと考える。常に選択はあなた次第であるが。

  1. わが投資術 市場は誰に微笑むか | 清原 達郎 |本 | 通販 | Amazon ↩︎
  2. 五味大輔さんが保有する銘柄一覧と評価額 | バフェット・コード (buffett-code.com) ↩︎

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