アクティブ投資とは?主要戦略を体系化して学ぶ完全ガイド

2025年12月31日

この記事でわかること:
・インデックスに勝つ難易度
・アクティブ投資を「5つの戦略」に体系的に分類する考え方
・自分の性格や投資スタイルに合ったアクティブ投資戦略の選び方
・それぞれのアクティブ投資の概略

アクティブ投資とは、市場平均(インデックス投資)を上回るリターンを目指し、投資家自身の判断で銘柄やタイミングを選ぶ投資手法だ。基本的にほったらかしの投資術であるインデックス投資に比べて、「投資している」という実感が得られる手法だ。

長期的にインデックスを上回れる投資家は少数であり、正しい知識と戦略がなければ成功はできない。現実的にはインデックスファンドに勝てるアクティブファンド(機関投資家)は、10年の投資期間では約13%である。初心者だけでなく、個人投資家には難易度が高い投資手法と言える。

それではアクティブ投資は意味がないか?結論はNoだろう。約13%のファンドマネージャーはインデックスを上回るパフォーマンスを出している。手法としては難易度が高いが、インデックス投資に勝つリターンを出すためにはアクティブ投資しかない。

そこでおすすめなのが、コア&サテライト戦略を取ることだ。コア&サテライト戦略とは、例えば、資産の70%程度を高回転売買が必要ない安定的なアクティブ投資である高配当株投資(コア)に置き、残り30%程度をハイリスク&ハイリターンのアクティブ投資であるグロース株投資(サテライト)で運用する方法である。これにより、安定性と成長性をバランスさせることができる。

やみくもにアクティブ投資をしても意味がない。まずは、どんな投資手法があるかを学び、そこから自分に合った投資戦略を選ぶ、大局観をもって運用することが重要だ。ここからは主要な5つのアクティブ投資の投資戦略の概略を紹介していく。最初に早見表だ。

分類株価が上昇する理由株価の源泉向いている人
グロース株投資(成長株投資)売上・利益・市場規模の拡大、将来キャッシュフローの増加見込み成長率新しいビジネスや企業を発見するのが好き
バリュー株投資市場が企業価値を安く誤認している状態(PER・PBR)の修正評価修正の発生財務諸表や企業分析が好き
配当(株主還元)投資企業の安定したキャッシュフローに基づく継続的な株主還元分配金の増加精神安定を重視・長期保有が苦にならない
低位株投資株価が安く、需給によって価格が動きやすい動かしやすさ短期勝負・損をしても気持ちの切り替えが早い
市場のゆがみ投資季節性や株価指数の入れ替えなど、市場イベントによる需給変化市場構造のゆがみ市場データの分析・検証が好き

詳しい内容にいく前にまずは自分がどのタイプか知りたいという方には簡易診断:「あなたはどのアクティブ投資向き?|5問で分かる投資スタイル診断が」がおすすめだ

グロース株投資(成長株投資): 企業成長に注目したアクティブ投資戦略

グロース株投資とは、企業の成長による株価上昇を狙い、将来性の高い銘柄を見つけて投資する投資戦略。成長株投資とも言われる。

このグロース株投資が、個人投資家が、インデックス投資に対して「超過リターンを実現」する最も有名な手法だ。

小型成長株集中投資

グロース株投資は、15年前のドン・キホーテ(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス:7532)に投資していたらという投資手法である。発掘は難しいが当たれば大きな利益が得られる

成長するためには現時点での時価総額(企業価値)は小さい必要がある。日本市場では時価総額1000億円以下の成長企業(小型株)が対象となることが多い。この領域には中長期でテンバガー、すなわち株価が10倍になる銘柄が潜んでいる。

この領域は投資信託などの機関投資家の参加者が少なくマーケットは荒れる可能性が高い。その意味で、ハイリスク・ハイリターンの投資方針と言える。

こうした成長小型株に手持ち資金を集中させる投資手法は、「小型成長株集中投資」として知られている。有名な個人投資家は、特定の成長株で大きく利益を出した事例を語ることが多い。そうした成功例の多くは、広い意味でグロース株投資に含まれる。

テーマ株投資

繰り返しになるが、これは個別銘柄の発掘がすべてである。そこで時流(テーマ)に合った業種=企業の集合体を見つけて行う投資戦略もある。これはどれか1社当たればよいということで難易度を下げている。これはテーマ株投資と言われている。

バリュー株投資: 企業評価に注目したアクティブ投資戦略

現在の企業価値に対して割安と判断される銘柄に投資する戦略を、バリュー株投資という。グロース株投資が将来の成長性や企業価値の拡大を重視するのに対し、バリュー株投資は、現時点の財務状況や資産価値、収益力といった要素をもとに投資判断を行う点が特徴である。

将来の成長予測よりも、現在の割安さのほうが数値で判断しやすいため、バリュー株投資は初心者にも取り組みやすい投資戦略といえる。実際、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった分かりやすい指標が存在し、銘柄選定の基準を明確に持ちやすい。

また、バリュー株投資の対象となる企業は、歴史が長く、安定した事業基盤を持つ大企業であることが多い。そのため、価格変動が比較的穏やかで、長期投資との相性も良い。個人投資家の中で、短期売買ではなく長期投資によって成果を上げてきたと語る人の多くは、このバリュー株投資や、後述する高配当投資を軸にしているケースが多い。

バリュー株投資で注意しなくていけないのは「バリュートラップ」である。これは、PERやPBRなどの指標上は割安に見えるものの、業績悪化や構造的問題を抱えており、株価が回復せず損失を被る状態に陥る銘柄のことを指す。

著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏は、バリュー株投資の代表的な実践者として知られている。バフェット氏の投資におけるエントリー方針売却方針を参考にすることは、長期投資を考える上で有益である。

株主還元(配当)に注目したアクティブ投資戦略

配当に注目した投資手法も人気だ。バリュー株投資と同じで、配当利回り、配当性向などの分かりやすい指標も整備されており、証券会社のスクリーニングツールを使えば比較検討が容易である。

高配当投資

配当利回りに注目し、配当によるインカム収入を重視する投資戦略を、高配当株投資という。高配当株投資は短期的な売買を前提とせず、長期保有によって安定した配当収入を得ることを目的とするケースが多い。そのため、価格変動を追い続ける必要がなく、長期投資を志向する投資家にとって取り組みやすい投資戦略である。

また、同じ長期投資でも、市場全体に分散投資するインデックス投資とは異なり、少数の高配当株に絞って投資することで、市場平均を上回るリターンを狙うという考え方も存在する。その代表例が「ダウの犬」と呼ばれる投資戦略であり、ダウ平均の構成銘柄の中から高配当銘柄を選別して投資する手法として知られている。

連続増配株投資

連続増配株投資とは、長年にわたり配当を減らさず、あるいは増やし続けている企業に投資する戦略である。

高配当株投資との大きな違いは、株価成長も期待しやすい点にある。その背景には、「配当を継続的に増やすことで、配当利回りが徐々に高まり、結果として高配当株投資を志向する投資家からの需要が増える」というロジックがある。需要が高まれば、株価の上昇につながる可能性もある。

ただし、連続して増配している企業の中には、現在の配当利回りが低い銘柄も存在する。その場合、増配が続いていても配当利回りが十分に高まらず、投資家から人気を集めにくいというリスクもある。

さまざまな条件はあるものの、この投資戦略のコアとなる考え方は「株価成長」と「配当収入」の両立にある。両者の特徴を併せ持つこの投資戦略は、長期投資としての値上がりと、継続的なインカム収入を同時に狙える投資戦略として、個人投資家の間で高い人気を集めている。

優待株投資

優待株投資とは、配当だけでなく、株主優待の価値も含めて利回りを考える投資戦略である。

日本では、配当とは別に、株主に対して自社サービスのクーポン券などを株主優待として提供する企業が多い。こうした株主優待制度は歴史が古く、明治32年(1899年)には、東武鉄道が300株以上を保有する株主に対して「株主優待乗車証」を贈呈していたという記録も残されている。

一方で、株主優待については賛否が分かれている。近年では、個人投資家の取り込みを目的として、自社サービスとは直接関係のないクオカードや各種ギフト券を配布し、実質的に個人株主(保有株式数がすくない)のみ配当利回りを引き上げている企業も増えているためである。

こうした優待は、株価対策と受け取られる場合がある一方で、企業価値の向上に直結しにくいという指摘もある。また、利益を受け取るのは主に少数株主である個人株主であるのに対し、その費用は株主全体が負担する構造となる。この点については、株主平等の原則に反するとの見方もあり、特に大株主である機関投資家からは批判的に捉えられることがある。そして、そうした機関投資家が投資に慎重な姿勢を示す場合、結果として株価が上昇しにくくなる可能性がある。

さらに、コスト負担の問題から、優待内容が頻繁に変更されたり、廃止されたりするケースも少なくない。この点は、優待株投資を行う上で留意すべきポイントといえる。

低位株投資 - 企業価値、株価の絶対的な低さに注目したアクティブ投資戦略

低位株投資とは、株価水準が低い銘柄に着目して投資を行う投資戦略である。同じ企業価値を持つ会社であっても、需給面、つまり売買のしやすさという観点から、株価水準が低い銘柄は上昇余地が大きいと考えられやすい。理論的には必ずしも合理的とはいえないが、株式市場は人の心理によって動く側面が強く、こうした心理的要因が株価に影響を与えることも多い

一方で、低位株には時価総額が小さく、売買が活発でない銘柄も多い。そのため、株価が特定の投資家の売買行動に影響されやすく、値動きが不安定になりやすいという側面を持つ。その結果、意図しない価格変動に巻き込まれるリスクも高くなる。

このように、低位株投資は大きな値上がりを狙える可能性がある反面、リスクも高く、企業価値に基づいた投資判断が難しいケースが多い。値動きが大きいということは利益機会が多いことを意味する一方で、投資の難易度も高い。そのため、投資経験の浅い初心者が安易に手を出すべき投資手法ではないといえる。

ボロ株(超低位株)投資

低位株の中でも、特に株価水準が極端に低い銘柄は、一般にボロ株(超低位株)と呼ばれる。株価が安い分、大きな値上がりを期待しやすく、いわゆる「一発逆転」の可能性があるとして、SNSなどで話題になりやすい傾向がある。しかし、その多くは市場から見捨てられた株、つまり業績や財務状況に課題を抱えているケースも多く、取引にあたっては十分な理解が必要な株式である。

一方で、近年では個人投資家が参加しやすいように、株式分割によって株価水準を引き下げている大企業も存在する。たとえば、NTTやヤフーなどがその代表例である。これらの株は、株を購入するために必要な資金が比較的少なく、初めて個別株を購入したい投資初心者にとっては、検討しやすい銘柄といえる。

つまり、単に株価が安いという理由だけで、すべての銘柄をボロ株と判断することはできない。株価水準の低さだけで判断するのではなく、その背景にある企業価値や業績、財務状況を見極めることである。

イナゴ投資

イナゴ投資とは、SNSや掲示板、インフルエンサーの発言などをきっかけに、多数の個人投資家が同じ銘柄へ一斉に群がるように売買を行う投資行動である。名前の由来はイナゴの群れにあり、一斉に集まり、短時間で食い尽くした後、次の場所へ移動する様子が、急騰銘柄に群がっては去っていく投資行動に重ねられている。

イナゴ投資では、株価が急騰している銘柄に後追いで参入し、短期間での値上がり益を狙うケースが多い。企業価値や業績といったファンダメンタルズよりも、値動きそのものが重視される点が特徴である。

例えば、X上でそれまであまり注目されていなかった銘柄が急激に拡散され、それと同時に株価が急騰する現象を目にしたことがある個人投資家も多いだろう。こうした局面では、理論的に株価水準を説明できないにもかかわらず、「上がっていること自体が正義」といった説明がなされることもある。しかし、その後は急落し、株価が元の水準へ戻るケースも少なくない。

このように、急騰と急落を繰り返す株価チャートは、塔のような形状を描くことがあり、一般に「イナゴタワー」と呼ばれる。

イナゴ投資は、株式市場でババ抜きをしているのと同じ構造を持つ。後から参加した投資家ほど不利になりやすく、最終的には高値掴みとなる可能性が高い。ただし、イナゴタワーがいつ崩れるかは事前に分からないため、SNS上での煽りによって「乗り遅れたくない」という心理(FOMO)が働き、一攫千金を夢見て参加する投資家も後を絶たない。

このような取引は難易度が高く、再現性も低いことから、長期的な資産形成を目的とする投資手法としては避けるべきものといえる。

市場のゆがみを使ったアクティブ投資

市場のゆがみを使ったアクティブ投資とは、企業価値の成長そのものではなく、需給や投資家心理、制度によって生じる一時的な価格のズレを利用して利益を狙う投資手法である。インデックス投資の理論的背景でもある効率的市場仮説が前提とする市場の合理性とは異なり、市場は常に合理的に動くとは限らない、という考え方に立脚している点が特徴だ。

タイミング投資

タイミング投資とは、特定の株価が大きく動きやすい「時期」に注目して投資を行う戦略である。企業や市場において、あらかじめ株価変動が起こりやすいと想定される局面を狙い、売買を行う点が特徴である。

代表的なタイミングとしては、以下のようなものが挙げられる。
・インデックス投資に用いられる株価指数へ採用されるタイミング
・株式分割のタイミング
・権利落ちのタイミング
・新規上場(IPO)のタイミング
・決算発表のタイミング

例えば、株式分割は株式数が増えるだけで、本来的な企業価値が変わるわけではない。しかし、売買単価が下がることで流動性が向上し、結果として株価が上昇しやすい傾向があることが知られている。株式分割の前後で投資を行う手法は、典型的なタイミング投資の一例といえる。

また、企業が持つ固有の力と密接に関係するタイミング投資も存在する。その代表例が、決算発表のタイミングである。決算前後は業績見通しの変化を織り込む動きが集中し、株価が大きく変動しやすい。この値動きを利用し、短期的に上昇・下落のいずれかを狙う投資手法も行われている。もっとも、決算後の値動きは不確実性が高いため、グロース株投資やバリュー株投資における企業評価と組み合わせて実施することで、相対的にリスクを抑えることができる。

真の企業価値の成長そのものではなく、特定のイベントを起点として短期間の売買を行う手法が、タイミング投資である。

アノマリー投資

アノマリー投資とは、タイミング投資の派生形の一つであり、株式市場において過去のデータから繰り返し観測されてきた周期性や季節性(アノマリー)を利用して売買を行う投資戦略である。

特定の月や時期に株価が上がりやすい、あるいは下がりやすいといった傾向に着目し、そのタイミングに合わせて投資判断を行う点が特徴だ。とりわけS&P500を中心にした米国市場では、長期にわたる豊富な統計データが蓄積されており、月別・季節別のアノマリーが研究・活用されてきた(参考: S&P 500の月別アノマリー)。企業価値の分析よりも、市場全体のリズムを重視する投資手法といえる

個人投資家におすすめのアクティブ投資の考え方

まず、アクティブ投資を行う際に最初に考えるべきなのは、リスクとリターンのバランスである。

例えば、全資産を「低位株投資」に集中させることは避けたほうがよい。低位株投資は値動きが大きく、短期間で大きなリターンを狙える可能性がある一方で、リスクも極めて高い。最悪の場合、上場廃止によって投資資金の大部分、あるいは全てを失う可能性もある。

そのため、アクティブ投資に取り組む前に、まずは投資手法全体の特徴を理解し、自分がどこまでリスクを許容できるのかを真剣に考える必要がある。また、アクティブ投資には一定の分析時間や判断の手間も求められるため、自分の生活スタイルや性格に合った手法かどうかを見極めることも重要だ。初心者の場合は、簡易的な投資スタイル診断などを活用し、自分の適性を確認するのも有効だろう。

コア&サテライト戦略の重要性

アクティブ投資を行う上では、コア&サテライト戦略の導入も検討したい。コア&サテライト戦略とは、資産の大部分を安定的な投資(コア)で運用しつつ、一部を高リスク・高リターンの投資(サテライト)に配分することで、全体のリスクを抑えながら収益機会を狙う投資戦略である。

この考え方は、リスク管理の観点から非常に重要だ。アクティブ投資においては、コア部分には価格変動を頻繁に追う必要がなく、比較的安定したインカム収入が期待できる高配当投資などが適している。一方、サテライト部分では、自身の投資経験や許容リスクに応じて戦略を選択でき、代表例としては小型グロース株への集中投資などが挙げられる。

低位株投資のように「夢がある」と感じられる投資手法は、その分ギャンブル性も高い。株式投資においては、**「夢が大きい=ハイリスク・ハイリターン」**という原則を、常に意識しておくべきだろう。

なお、ここまで読んで「アクティブ投資にあまり魅力を感じない」「十分な時間を確保できない」と感じた場合は、インデックス投資を検討するのも一つの選択肢である。無理にアクティブ投資にこだわらず、自分に合った投資スタイルを選ぶことが、長期的な資産形成につながる。

-アクティブ投資戦略