アメリカで最も有名な投資家と言えば、日本でも有名なウォーレン・バフェット氏であることは間違いないだろう。そして、 バフェットの次と言えば、ジム・クレイマー氏の名前が上がるだろう。
ジム・クレイマー氏は、ヘッジファンドのマネージャーでもあるが、アメリカではCNBC テレビで「マッドマネー」という2005年から続く長寿の投資テレビ番組の司会者としてのほうが知られているあろう。日本では無名であるが、アメリカでよく知られた人物だ。
株関連でメディアに出る人は、それなりの予測をしてそして、必ずその予測はどこかで外れる。その為、当たらない=逆神として批判される。もちろん、ジム・クレーマーも例外ではなく、とにかく毎日テレビに出て発言をして、それも断定的な物言いで人気ということで、当たらない逆神だとSNSを中心に定期的に盛り上がる人物であるのは事実である。
逆神事件でも、最も有名なのは、リーマンショック時のベア・スターンズに関連する発言が有名だ。ジム・クレーマーが「ベアー・スターンズは問題ない」という趣旨の発言1をしてから、すぐに経営破綻となった。ジム・クレーマーは、「マッドマネー」の中でもよくドットコムバブル崩壊を当てたと言っているが、金融危機についてはそのようなコメントはほぼない。
ただし、現実的に考えて、毎日放映されるテレビ番組でしゃべるということで、かなり時間的な制約もある為、ジム・クレーマーのテレビの発言をそこまで真剣に信用するというアプローチのほうが間違っているかもしれない。結論としては、ジム・クレーマー氏のテレビでの発言は投資判断の「答え」ではなく、投資の考え方を学ぶ材料として使うのが最も合理的だ。
つまり、ジム・クレイマー氏は、長い間一線のヘッジファンドマネージャーとして働いてきたことから、著書で紹介されているトレード・ルールなどは非常に有益であると感じる。よって、テレビ番組の情報はそこまで鵜呑みにしないほうが良いが、投資の基本的な考え方は、ジム・クレイマー氏から深く学べるというのが私の私見だ。
ジム・クレイマーはとにかく有名人 - 毎日テレビに出てるから
日本ではそこまで知られていないジム・クレイマー氏。Twitterではフォロワー200万人を超える投資業界の超大物インフルエンサーともいえる。
現在、アメリカで最も話題のファンドマネージャーと言えば、ARK Investのキャシー・ウッド氏。ハイテク集中投資での旗艦ファンドであるファンドアーク・イノベーションETF(ARK Innovation ETF)価値が上がっても下がっても話題になる。このキャシー・ウッド氏とジム・クレイマー氏を過去1年のGoogleトレンドで比べてみると、ジム・クレーマイ氏のほうが検索されている回数は多い。
もちろん、ジム・クレイマー氏は、テレビ番組の司会者をやっているということから、派手な言動で注目を受け、色物としてみられることも多い。ただし、投資の世界で長年生き残ってきた古参のファンドマネージャーでもある。

テレビ番組「マッドマネー」の情報の使い方
ネットでは、ジム・クレーマー氏を逆神と揶揄する意見もある。
ジム・クレーマー氏と言えば、テレビ番組で、視聴者の銘柄選定の質問に対して、即座にそして断定的に、特定の銘柄に関して、推奨するか推奨しない銘柄を決定する、特殊の能力を持っている。視聴者はいろいろな銘柄を上げてくるが、ほぼ瞬時に応える能力、そして、断定的にものをいう勇気は驚嘆するとしか言えない。ただし、皆さんも内心はこれが正解なのか?と疑問に思っているだろう。
以前、これをビジネスチャンスとして、ジム・クレーマー氏をテーマにETFが作られた。ファンドマネージャーが、クレーマー氏のテレビ番組「マッドマネー」を見てそれを元にポートフォリオ構築するというスタイルで運用されたようだ2。
結果としては、パフォーマンスも出ず、つまり、お金もあまり集まらずに結局閉鎖になっている3。このファンドは、クレーマー氏の非公認だったということで、実際にクレーマー氏の意見を厳密に反映しているかは別であるが、テレビでの情報がどのくらいの品質かというのは、一定の結果は出たのではないか?
とにかく面白いし分かりやすいと投資判断は別
逆神問題は、ジム・クレーマー氏の問題というよりも、テレビ番組を成り立たせるための「エンターテイメント性や分かりやすさの担保」に原因があるかもしれない。とにかく、クレーマー氏は言い切る。これが良くないかもしれないが、逆に言うとこれが盛上るのだ。
投資については常に自己判断、メディアの情報も鵜呑みにしないのほうが良いという例と捉えたほうが良い。尚、ジム・クレーマー氏は、非常に元気よくしゃべるおじいちゃん(現在70歳)で、あんなにエネルギッシュな70歳は見たことないというほどの面白い司会者である。
そして、ジム・クレーマー氏の背景解説や考え方はとても参考になる。以下に投資情報との付き合い方の記事を掲載しておくので是非とも参考にしてほしい。
ジム・クレイマーの10の投資ルール
テレビ番組マッドマネーでの個別銘柄推奨について、いろいろと議論はあるが、ジム・クレーマー氏が提唱するトレーディングのルールは確実に参考になる。
このトレーディングのルールは、ジム・クレイマー氏の歴史的な名著である投資解説書「ジム・クレーマーの株式投資大作戦4」で、トレーディングルール=株式トレードを実行するときに自分に課す約束事、10のルールとして紹介されている。ちなみに、ジム・クレーマー氏も「ルール9で、メディアのヘッドラインでトレードするな」と言っている。とにかくメディア情報をうのみにしないほうが良いのであろう。
ルール1: トレーディングを長期投資と混同すべからず
これは簡単に言えば、ずっと持ち続けるのではなく適度なタイミングで売れと言っていると受け止めた。「保有期間が永遠といったウォーレン・バフェット氏も、打診買いも多く、そして、結局はどこかで売却している。
ルール2: 最初の損失は最後の損失
これも 損切りを早くしろということである。まあこれは1回 確認して、 トレードがうまくいってなかったとしたら(最初の損失)、その時点で売ってしまえということである(最後の損失)。
ルール3: すでに発生した損失は実現すべし
まあ、これも損切りは早くやった方がいいということだろう。含み損といっても、すでに損している状態なので、含みという言葉に惑わされず、損としてとらえるべきだ、ということである。
ルール4: 欲張って持ちすぎて損失に終わらせるべからず
これは、トレーディングは、始まり(買うこと)と終わり(売ること)があるということで利益確定=売ることをしっかりやろうということである。
ルール5:「耳寄りな話」には耳を貸すな
これは怪しげな儲け話には耳を貸さずに公開情報(Web上で公開されている情報)だけで、判断ための情報元は十分であるという話である。
ルール6: 売って初めて儲けが実現する
これも利益確定に関することだ。株は含み益の状況だったら何もならずに売らないと儲けにならないということだ。
ルール7: 損失が出ている銘柄に全力を注げ
これは、損失が出ている銘柄を注意深くリサーチして、まあ、早く売れということと解釈できる。
ルール8: すべてのチャンスを取ろうとするな
これも利確関連で、まあ、欲張らずに売れということである。
ルール9: メディアのヘッドラインで売買するな
メディアに煽りにいちいち反応するなということである。
ルール10: 相場に乗るトレーディングに走るな
みんなが買っているから買うというような安易なことはするなということだ。
株式トレードは、ジム・クレイマーが言っているようにいつ買って、いつ売るかのみが重要である。そして、ジム・クレイマーは、欲張らずにトレードしろと言っている。なかなか、実行が難しいアドバイスだが耳が痛い人も多いだろう。個人投資家として株式トレードにチャレンジしたい方は以下も参考にしてほしい。
なお、アメリカでのもう一人の著名投資家、ウォーレン・バフェット氏の手法が知りたい方は以下の記事が参考になる。
