グロース株投資はなぜ難しいのか?成長株投資で成功する人の共通点と戦略

2025年12月31日

この記事でわかること
・グロース株投資が、なぜ難しい一方で大きなリターンが狙えるのか
・小型成長株集中投資やモメンタム投資などの具体的な手法
・指標だけに頼らず、成長企業を発掘する現実的な方法

グロース株投資は、急成長企業に投資して大きなリターンを狙うアクティブ投資の一つだ。難易度は高いが、成功すればリターンも大きい。

企業の将来の成長に賭ける以上、企業のビジネスモデルや市場環境を理解する力が求められ、指標だけで機械的に銘柄を選ぶことはできない。

一方で、個人投資家が「株で一発当てた」と語られるケースの多くは、グロース株投資、もっと厳密に言えば、小型成長株への集中投資である。

この記事では、グロース株投資の本質と難しさを整理したうえで、個人投資家ができる成長株の発掘アプローチ、代表的な投資戦略である小型成長株集中投資戦略を解説する。

グロース株はスクリーニングだけでは見つからない

グロース株投資は、企業の将来性に対して投資する戦略であり、ビジネスそのものを理解する力が必要になる。その上、対象となる銘柄を発掘するのも困難だ。バリュー株投資高配当株投資においては、銘柄発掘にはオンライン証券会社が提供しているスクリーニングツール1を使って特定の指標を使って検索する。

例えば、バリュー株を見つける重要視点の1つは、PER(株価収益率: 株価は利益の何年分であるかを示した指標)であろう。グロース株の視点で見れば、PERはすごく割高になる。さらに、グロース株は赤字であるケースもあるのでその場合はPERが計算できない。単にツール上で数値を指定してみただけだと、企業業績が悪くPERが割高なのか、成長前でPERが割高なのかがわからない

高配当株投資の主要配当利回りなども、基本的に成長企業は無配当なので、投資対象企業の発掘にスクリーニングツールが使えない。企業業績が悪く配当利回りが割高なのか、成長前で配当利回り割高なのかがわからない

もちろん、売上げが伸びている(売上高成長率)、利益が伸びている(営業利益成長率)などの指標はスクリーニングツールにも用意されている。ただし、成長企業は製品の成熟度の問題で売上が直線上に上がっていかないことや、赤字企業だった場合は利益指標は使えない。

日常の気づきが銘柄発掘につながる理由

つまり、普段の生活の中やニュースなどの報道など、様々なトリガーの中から銘柄発掘をしていかないといけない。ドン・キホーテに深夜行ったら、すごく混んでいたのでびっくりした、この企業は上場しているのだろうか?こんな日常の気づきからヒントを得ていくのは有効だ。

消費者に支持されている企業は伸びる可能性がある企業だからだ。

ビジネスモデルを深く理解しないと振り落とされる

なお、バリュー株投資や高配当株投資は、歴史がある安定した大企業を対象としているので株価は下落するが、ある程度の幅である。その一方でグロース株は値動きが大きい、つまり、ビジネスを深く理解し、その企業を信頼しないと利益確定までにふるい落とされる可能性もある。

難易度が高いグロース株投資であるが、リターンも大きい。個人投資家で株で一発当てたという人は、このグロース株投資で成功した人ともいえる。例えば、著名個人投資家の片山晃氏は、日本ライフライン(7575)という株で一発当てたことで知られている。これはまさにグロース株投資である。

グロース株の鉄板戦略: 小型成長株集中投資戦略

株価は巨大企業よりも中小企業のほうが伸びしろがある、これは、ビジネスを展開する領域の市場規模に限界がある以上、企業価値=時価総額にも限界があるからだ。

例えば、アパレル事業があったとする。しまむら(8227)の時価総額は約6500億円。パルグループHD(2726)の時価総額は2800億円。アダストリア(2685)の時価総額は約1700億円となっている。中堅のアパレル、バロックジャパンリミテッド(3548)の時価総額は約300億円である(すべて2024年末現在の数字)。

ユニクロはグローバル展開をして別であるが、アパレルや雑貨を主体とした日本企業の時価総額は、トップシェアを取ったとしても、日本市場の市場規模を踏まえてだいたい6500億円程度が限界なのかもしれないという仮説が立つ。

これをベースに考えると、バロックジャパンリミテッドは、株価が22倍程度になる可能性があるが、アダストリアは3.8倍程度にしかならない。もちろん、バロックジャパンリミテッド(小型株)は、多数のアパレルブランドを抱えるアダストリア(大型株)よりも、事業が特定の領域に集中している。つまり、事業リスクが大きく業績不振によって株価が低迷する可能性は高い。

前述のアパレルで言えば、サマンサタバサジャパンリミテッドは、2005年12月の上場時(初値)の時価総額は756億円7だったが、2024年6月にはコナカに買収される形で上場廃止となっているが、上場廃止時の時価総額は27.6億円ほど8と27分の1まで縮小した

グロース株投資で成功したとされる大物投資家のほとんどが、信じたグロース株に資金を集中させて爆発的なリターンを叩き出している。

集中投資はリスクが高いと言われるが、理解の浅い銘柄に分散するより、信じた成長企業に集中する方が合理的だと考える投資家も多い。難易度が高いが、インデックス投資に圧倒的に勝つことができる。詳しい手法は、小型成長株投資の威力 も参考にしてほしい。

パクリ投資(クローン投資)という現実的手法

前述のようにグロース株の発掘は難しい。そこで、パクリ投資(クローン投資)という手法が生まれてくる。著名のアクティブファンドなどが月次報告などで公開する新規投資先企業にいち早く投資を行う手法だ。日本株アクティブファンドの草分けである「ひふみ投信」の月次レポートを参考に投資していた人も少なくはないだろう。

また、著名個人投資家が大量保有報告書に名前が掲載されるタイミングでパクるという方法もある。個人投資家として非常に有名な五味大輔氏2は、ネクセラファーマ(4565)を大量保有し、その買増しの際にはいつも話題になる日本最大級の個人投資家だ。

最近ではこの手法をブロックする動きも出ている。日本の著名個人投資家、井村俊哉氏が立ちあげたアクティブファンド「日本株Kaihouファンド3」では、投資先の名前を月次報告書では公表していない。

尚、このようなパクリ投資の元情報はSNSでバズるが、グロース株投資では、値動きも大きいため狼狽売りをしないためにも、ビジネス理解だけでなく、強いメンタルも求められる。SNSの情報に惑わされないためにもFOMOについて理解しておくべきだ。

ミネルヴィニに学ぶモメンタム型グロース株投資

高値更新している株はさらに上昇する可能性が高いとするのが「ミネルヴィニの成長株投資法4」である。これは、高値更新中の株(モメンタム株)を買い、さらに上がる勢いに乗るという投資手法である。グロース株においては、株価上昇余力が大きい。そこで、株価が上がってきた後に投資をして、勢いに乗るというのがこの戦略である。

このような状況では、株価が一時的にとても割高、つまり、PERがとても高くても、それは、市場が“将来の成長”を先に織り込んでいる状態と判断し、株価が上昇する。その上昇を超える利益成長があればPERは通常に戻るという考え方だ。

つまり、最近、株価がどんどん伸びている小型株に投資するのがこの投資手法のコアだ。これは深いビジネスの理解というよりも株価の勢い(モメンタム)に注力した投資手法である。ただし、グロース株のような値動きが激しい株でモメンタムに乗るのも至難の業だ。

また、この手法は、タイミング投資の1つの手法ともいえる。タイミング投資の記事も参考にしてほしい。

グロース株投資は「アクティブ投資の王道」だが難しい

日本の著名個人投資家で、大きな成功を収めたとされる方は、ほぼグロース株投資で成功を収めている。そしてのその手法はほぼ「小型成長株集中投資戦略」である。これは大物投資家のインタビューや書籍などでも確認できる。

アクティブ投資の中でも、最もアクティブ投資ぽい投資手法であるグロース株投資。なかなか難易度が高く、銘柄発掘が難しいという人も多いあろう。そういう方は以下の「アクティブ投資の主要戦略を体系化して学ぶ完全ガイド」を読んで他の投資法を試してほしい。

また、どんなアクティブ投資に向いているのかがわからないという方は、簡易的な投資スタイル診断などを活用し、自分の適性を確認してほしい。

よくある質問(FAQ)

Q1. グロース株投資は初心者でもできますか?

結論から言えば、いきなりメイン戦略にするのは難しいです。
グロース株投資は値動きが大きく、企業のビジネスや成長ストーリーを理解する力が求められます。まずはインデックス投資高配当株投資などで市場に慣れたうえで、資金の一部から取り入れるのが現実的です。あくまでも、コア・サテライト戦略におけるサテライト部分として位置づけるのが適切でしょう。

Q2. グロース株はどのくらいの期間、保有する前提ですか?

短期売買というより、中長期(1年以上)を前提に考える投資です。
成長企業は業績や株価が一直線に伸びるわけではなく、途中で大きな調整も起こります。そのため、短期の値動きに一喜一憂せず、成長が実現するまで保有できる姿勢が重要です。

Q3. グロース株の銘柄発掘は何から始めればいいですか?

スクリーニングツールだけに頼らず、日常生活やニュースからの気づきを起点にするのが有効です。
「このサービスは伸びていそうだ」「最近よく見かける企業だ」といった感覚から企業を調べ、ビジネスモデルや市場規模を確認していく流れが、グロース株投資では現実的です。

  1. 例えば、マネックス証券のマネックス銘柄スカウターなどが有名だ ↩︎
  2. 大株主は届け出義務があり、五味大輔さんが保有する銘柄一覧と評価額 | バフェット・コード のようなサイトで著名個人投資家の保有状況がわかる。 ↩︎
  3. 匠のファンド kaihou | 取り扱いファンド - 商品一覧 | fundnote ↩︎
  4. ミネルヴィニの成長株投資法 ━━高い先導株を買い、より高値で売り抜けろ (ウィザードブックシリーズ 213) | マーク・ミネルヴィニ |本 | 通販 | Amazon ↩︎

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