株価予測は可能か?投資理論と投資心理で整理する

2026年1月19日

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プロの予想にこれだけ課金したから問題ない
投資を始めた多くの人が、一度は株価予測に過度な期待を持つ。その後、何度も予測が外れた経験を通じて「結局、株価は予測できないのではないか」という結論にたどり着く。

このページでは、株価予測がなぜ難しいのかを、感覚や経験論ではなく、投資理論投資心理学の両面から整理する。

株価予測が当たるように見える理由

株価予測は、一見すると可能そうに見える。その為、投資初心者から中級者になる過程で、1度は大きな損失を出す個人投資家の方も多いのではないか?

成功例と情報産業が生む株価予測の可能性

株価予測が可能そうな理由は、
・ 実際に成功した個人投資家がいる(例えば、65万円も元手に300億円程度の累計利益を叩き出した片山晃氏1など)
・ ニュースなどで株価に関して解説がされている
・ 投資顧問業という投資に関するアドバイスをする産業が成り立っている
・ アクティブ投資の手法が様々確立している
などが、それなりに信じられる理由がたくさんあるからだ。

著名投資理論から見る株価予測は不可能な理由

その一方で、株価予測は無理だとする投資理論も広く知られている。まずは、ランダムウォーク理論である。この理論では、株価の変動はランダムであり、過去の値動きから予測できないとしている。

さらに、このランダムウォーク理論から発展した、効率的市場仮説では、株式市場は利用可能な情報はすぐに株価に織り込まれる為、市場にある株価の偏りは、すぐに是正されるとしている。この結果、全体的な経済成長、つまり、市場平均を超えるパフォーマンス、つまり、超過リターンを叩き出すことは不可能とされている。

これらの理論は「予測の不可能性」を示しているが、その一方で、いろいろな反証(参考記事:反証とは - ウェイソン選択課題からAI相場がバブルかを判定する)があるのも事実である。

市場はランダムでも効率的でもない論証

現実の市場は完全なランダムでもない。暴落は理論上の想定より頻繁に起こり、値動きが荒れる局面は連続しやすい。これはファットテールボラティリティ・クラスタリングとしてデータを使って証明されている。

また、S&P 500には月別アノマリーという理論的には証明されていないが、経験的に再現性があるトレンドが観測されている。これは、月ごとに値動きの傾向、例えば、9月は株価が下がりやすい、11月は株価が上がりやすいというような経験側に基づいたものである。

また、群集心理によりバブルが助長される構造など、そもそも、効率的市場仮説を信奉したインデックス投資により、個別企業の株価の割高、割安水準も無視した投資が実行されて、株価が歪むという反論もある。

つまり、市場がランダムで効率的でない理由としては、プロスペクト理論で証明されているように人間が合理的な生き物ではないこと、その人間が参加して株式市場を作っていることが上げられる。

でも、株価予測はあまり当たってない?

このような歪みをうまくとらえれば、必ず的中する株価予測が生まれるのか?というとそうでもない。

これは、株価予測は、ウォール街のトップエリートでもあまり当たってないということもある(参考記事:著名アナリストのS&P500予想はなぜ当たらないのか?)。また、個人投資家の9割は損をしている俗説も、確証がないのにもかかわらずインターネット上から消えない。

つまり、株価予測は、不可能ではないが難易度が極端に高い、いわば「無理ゲー」という側面を持っている。

株価予測とどう向き合うべきか

株価予測は、当たるかもしれないし、当たらないかもしれない、つまり、重要なのは、「予測できるか・できないか」で白黒をつけることではない。予測に依存しすぎない投資ポートフォリオを構築することである。

多くの個人投資家にとっては、
・ コア・サテライト戦略を採用
・ 長期にデータがあり再現性の高いインデックス投資をコア資産として軸にしつつ
・ アクティブ投資をサテライト戦略として実施
・ その上で、株式だけでなく、債券、金、不動産などを入れてリスクを分散したアセットアロケーションを実現する
ことが、理論的だけでなく、投資心理的にも持続しやすい。

株価予測は、使い方を誤ると投資の不安を増幅させる。しかし、理論を理解したうえで適切な距離感で情報を扱えれば、的確な投資判断をするための1つの武器にもなる。

不用意にSNSでの情報を信じて極端な投資行動に出ることは、株式投資をギャンブルとして実施することにつながるので注意したほうが良いのではないか?

  1. 300億円投資家・五月=片山晃さん&100億円テスタさん対談「株で大金を手にするための2つの能力」とは? | AERA DIGITAL(アエラデジタル) ↩︎