インデックス投資は「ほったらかし投資」だが、ほったらかせない3つの理由と対処法

2026年3月10日

タケボウ

兼業個人投資家 - S&P500投信を中心に約1億円運用中。2018年から継続中のインデックス積立と裁量取引の二刀流 - 個別株や株式指数の取引も行う。債券、金投信、ビットコイン、REITだけでなく、1Rマンションまで様々なアセットクラスを保有。

インデックス投資は、長期で資産形成を行うための合理的な投資手法である。市場全体に分散投資し、短期の値動きに振り回されず、時間を味方につける投資戦略だ。別名「ほったらかし投資」と呼ばれ、最初に積立を設定すれば後は放置しても問題ない、むしろ、放置したほうが良いとされる。

それにもかかわらず、私も含めて、実際には毎日スマホで資産額を見てしまい、喜んだり逆に不安になったりとする人が多いだろう。

私は、この行動は、投資知識が足りないからでも、意志が弱いからでもなく、人間の心理構造を考えれば、むしろ自然な反応と考えている。よって「ほったらかし投資」ができないと悩むのではなく、その投資心理を知って、それにうまく対処するということで、インデックス投資を続けていくの現実的と考えている。

投資心理の理解:なぜ投資をほったらかせないのか?

まず、基本的に投資初心者であればあるほど「投資は放置できない」と考えたほうが良い。つまり「ほったらかし投資」というのは理論的には正しいが、実際上はできない投資方法だと考えたほうが良いだろう。

私は、今はそこまでもないが、始めた当初は、お金が減るということが、とにかく不安で仕方なかった。少しでも損がでると、投資が上手くいっていたのは昨日までで、今日以降は、ずっとマイナスが続くのではないか?という、湧き上がるような不安を強く感じたことを覚えている。もちろん、毎日のように資産額はチェックをしていた。

ほったらかし投資」ができない理由を体系立てて考えると、以下3つの理由がある。

その1:そもそも論であるがお金は重要なものである

お金は、生きていくために必須の要素である。つまり、心理的な重要度が非常に高い資産である。人は重要なものほどコントロールしたくなるため、値動きや評価額を確認したい欲求が強いと言えよう。

重要なものを「ほったらかせ」というのも無理がある。

その2:人間には損失回避傾向が備わっている

人間は、損失の痛みを強く感じるように設計されている (参考記事: プロスペクト理論が示す「損が得の2倍痛い」投資心理)。そのため、損したくないという気持ちが感情として強く起こる。

このような心理傾向を無視して「ほったらかせ」というのも無理がある。

その3:経験不足が生み出す心配

現代において、投資情報を遮断するということは不可能だ。毎日ニュースやSNSで「暴落」「危機」「急騰」などの投資情報が流れる。こうした投資情報に触れるたびに「何か行動しないといけないのでは」と感じてしまうのは当然だろう。

長年投資をやっていると、またか。。。と思うことも、投資初心者のことは経験の無さから過剰反応してしまうことが多い。

SNS時代に「ほったらかせ」というのも無理がある。

長期投資を辞めないのであれば見ても良いが...

この「ほったらかし投資」が推奨されるのは、資産を見ること自体が悪いわけでなく、見ることで感情が揺れ、非合理な売買につながることである。

特に注意すべきなのが、少し利益が出るとすぐ売り、損失が出ると耐え続けてしまう「利小損大」の行動である。不安から早く安心したいという心理が、小さな利益確定を誘発し、長期的なリターンを削ってしまう。長期投資は、とにかく長期でやらなくてはいけないため、ほったらかすことで、このような無用な「利小損大」売買を避ければ良いということになる。

特に注意すべきはSNS上での比較

SNSや周囲の成功談と自分を比べてしまうのも、不安を増幅させる要因である。「あの人は儲かっているのに、自分は増えていない」と感じた瞬間、ほったらかして長期投資をするインデックス投資の戦略を疑い、売却したくなる。

しかし、インデックス投資は他人と競うものではない。比較による焦りは、最も避けるべき判断ミスにつながりやすい。これは、FOMO(取り残される恐怖)という心理が非常によくかかわっている。

ほったらかし投資をしないで「ほったらかす」には?

「ほったらかし投資」が非常に難しいということが分かったところで、それではどのように「ほったらかす」を考えていきたい。

その1:お金は重要なものへの対抗策「適正投資額」

無理に耐える必要はない。リスクを取りすぎている可能性があるため、一部を売却し、「気にならない金額」に調整するのも合理的な判断である。

できるだけ全売却をさけて、自分が許容ができる最大限に保てば良いという判断も続けるためには重要な考え方である。

その2:損失回避傾向に対抗する「含み益バリア」

含み益バリアとは、多少の下落では損失にならないほど含み益をいう。これにより価格変動に対する感情の揺れが小さくなる。これは「多少下がってもまだプラスだ」という認識が働くからだ。その結果、毎日の値動きが生活の不安に直結しにくくなる。

その3:経験不足に対抗する「過去の事例」

歴史には繰り返す。全く同じパターンではなく、少しばばかり形を変えて。インデックス投資家が振り落とされがちだった、1997年2018年の相場を知ることで、握力を高めることができる。

もちろん、過去から正確な未来を予測することはできない。ただし、繰り返される似たような投資感情とその後どのような結論になったかを学ぶことで、経験不足を補うことができる。

まとめ:続けるために何をするかを考えるべき

インデックス投資は、我慢比べではない。続けられる形に整えることが最優先である。毎日資産を見てしまう自分を否定するのではなく、不安が生まれる構造を理解し、投資額を調整したり、正しい知識を取得する。それが、長期投資を成功させる現実的なアプローチである。

ほったらかし投資ができないのは自然なことだ。その前提に立った上で、無理なく続けられる仕組みを作ることが、インデックス投資の本質と私は考えている。