アクティブ投資

高配当株投資とは何か?インデックス投資に勝てるのか?

2025年12月31日

高配当株投資とは、配当利回りが高い(目安として4%以上)銘柄のみ集中的に買うことで安定的かつ長期的なリターンを追及するアクティブ投資戦略だ。

高配当株の特徴として、成熟した産業に属する大企業が多い。代表例は、たばこ、エネルギー、鉄鋼、通信、銀行リースなどの巨大企業である。これらの株価は比較的に安定している。

高配当株投資のメリットとしては2つ挙げられる。
1) 投資家心理として安心できる:配当金としてのリターンが受け取れるため、株価下落時に急いで売却しなくても良い。つまり、バイアンドホールド戦略がとりやすい。投資家心理的に頻繁な売買を避けることができ、これが長期的なリターンを獲得できることにつながる。
2) バリュー株投資としての値上がり:高配当であることは株として割安であるといことと同義であり、同じような同業種の低配当の株式よりも値上がりを望める。

注意点としては、株価を上げるためにとにかく配当をたくさん出している銘柄を避けるということだ。このような銘柄は、必ずしも業績が良いわけではなく、株価対策のために無理して配当を出しているだけである。これは高い配当を出している投資信託を盲目的に信じてはいけないということに近い。

高配当株の最大のリスクは、配当が出なくなると株価が急落するということだ。これは市場参加者は、その銘柄を高配当株として買っているので無配転落すると一気に売られる。近年では安定した高配当株とみなされていたあおぞら銀行が無配になり急落した事例がある。

高配当株は安定した企業ばかりで、大きな株価成長は望めない。株価成長も望める企業も含んだ市場平均リターンを出すインデックスファンドには利回りでは勝てないという印象もあるかもしれない。ただし、ダウの犬戦略のように集中的に運用することでインデックス投資に勝つ手法も立証されている。

ここからは具体的に高配当株投資の詳細について解説していきたい。

高配当株投資の始め方

高配当株投資はアクティブ投資の為、始めるためにはまず銘柄選定をしなくてはいけない。通常の銘柄選定は、オンライン証券会社提供しているスクリーニングツール、例えば、マネックス銘柄スカウター1などを使って、銘柄を探求し、複数の銘柄で自分のポートフォリを作っていくことになる。考え方としては、

A) 配当利回り
一般的には3%以上から高配当銘柄と言われ、高配当として注目されるのは4%程度以上が目安となる。

B) 連続増配期間 or 無配転落がないか
高配当株は、マーケットから高配当株として認識されている為、無配に転落した実績等を確認する必要がある。また、連続増配をしている配当利回りの高い株は特に人気が高い為、連続増配傾向についてもチェックすべきだ。

C) 配当指向性
企業が稼いだ利益のうち、どれくらいの割合を株主への配当金として支払っているかを示す指標。高いほうが良いという訳でもなく、企業は利益を再投資する必要もあるので、50%から70%ぐらいのレンジが真の意味で株主にやさしい配当指向性になるだろう。

D) 安定性を求めるということで時価総額
大企業のほうがビジネスが安定している。例えば、時価総額1兆円以上。

E) セクター

これは同じセクターの企業ばかりを選ばないようにする。

などを考えてポートフォリを作っていく。

具体的な例は?

日本市場で、伝統的に高配当株として人気が高いのは、
・ リース企業の三菱HCキャピタル
・ 銀行の三菱UFJ
・ 日本たばこ
・ 通信のソフトバンク
・ 海運の商船三井
・ 鉄鋼の日本製鉄
・ エネルギー企業のENEOS
などが上げられる。

こうなってくると自分では選べないという人がいるだろう。

インデックス投資に勝つための高配当株集中投資: ダウの犬(Dogs of the Dow)

高配当株は、どちらかというと安定性が高く、成長株も含まれる

高配当株に注目してインデックス投資に勝つための投資戦略として「ダウの犬」というものがある。この戦略は、ダウ平均(アメリカの株式市場の市場平均)に対して超過リターンを生み出すために考案された高配当株集中投資の方法である。

この投資戦略では、ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ダウ平均)を構成する30銘柄の中から、配当利回りが最も高い10銘柄に投資する戦略だ(尚、ダウのスモールドックという言われる手法は、さらに集中して5銘柄に投資する手法だ)。

ダウの犬戦略の理論的背景は、
1) ダウ・ジョーンズ工業株価平均に含まれる30社はアメリカを代表する企業でビジネスモデルは確立している
2) その企業が配当利回りが高いということは相対的に株価が落ちている
3) 1)と2)であれば株価上昇が望める
4) ダウ平均の30銘柄よりも、選択した割安感がある10銘柄のほうが集中すのでダウ平均よりもリターンが高くなる
ということである。

この「ダウの犬」は、ダウ平均だけでなくTOPIX Core 30 (日本を代表する30銘柄による株式指数)を対象に試されておりその有効性は確認されている4。また、225社から構成される日経平均から30社の高配当銘柄に集中投資する戦略で人気を集めている「日経平均高配当利回り株ファンド」というものある1

ただし、この「ダウの犬」という戦略は、配当を出さないハイテク株が株高をリードする昨今に苦戦を強いられている。2019年、2020年、2021年、2023年とダウ平均よりもパフォーマンスで負けている5

パフォーマンスを凌駕した2022年は、全体的な株価下落局面であり、特に2020年から2021年に上昇したハイテク株が大きな打撃を受けた。そういった意味では、このダウの犬は時流に合わなくなってきたのかもしれない。

高配当投資もインデックス投資の流れへ

最近では、高配当株のみを集めたインデックス(株価指数)も開発されておりそれに連動したETFや投資信託も運営されている。

米国では3つの有名な高配当ETF、VYM、SPYD、HDVがある。これはアクティブ運用ではなく、高配当株を対象にしたインデックスに基づいて運営されている。VYMは、FTSE High Dividend Yield Index、SPYDは、S&P 500 High Dividend Index、HDVは、Morningstar-Dividend-Yield-Focus-Indexでそれである。それぞれのインデックスには選定の特徴がありそれにより、株価上昇余地と配当金のバランスが選べる。

日本でも、NF・日経高配当50 ETFというETFがあり、日経平均高配当株50指数という日経平均に選出した銘柄の上位50の高配当銘柄をトラックした株価指数に連動している。高配当株投資にもパッシブ投資(インデックス投資)の波が訪れている。銘柄選定が難しければ、このようなETFを高配当株投資として購入するのも良いだろう。

  1. 日本株銘柄分析ツール マネックス銘柄スカウター | 情報ツール | 投資情報 | マネックス証券 ↩︎

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