S&P500のアノマリー4月編(2026年度版)

2025年3月22日

株式市場には「月ごとにリターンの傾向が異なる」というアノマリーが存在する。その中でも4月の米国株式市場は、毎年、高いパフォーマンスを安定して創出する月として知られている。

この記事では、過去10年・20年・30年・40年という複数の時間軸を使って多面的に、S&P 500の4月の強さを分析していきたい。1

S&P500の4月の月間平均リターンと勝率

4月は、過去10年から過去40年までの10年ごとのリターン分析ですべてのパターンにおいて、S&P500の月間リターンはプラスを示している。

期間月間平均リターン上昇確率
過去10年+1.1%70%
過去20年+1.9%80%
過去30年+1.7%74%
過去40年+1.4%70%

高いリターンと高い上昇確率

4月は高い上昇確率を誇る月でもある。過去20年で勝率80%。過去20年16年で4月は上昇したということだ。その上、過去20年間の4月の月間平均リターンは+1.9%、つまり、12か月続けば(年率換算すれば)、リターンは約23'%となり、実際のS&P500の過去10年の年間プライスリターン(約11%)の2倍以上となる。

つまり、4月は12か月の内でもかなり強い月と言えよう。

月比較のパフォーマンスは2位もしくは3位

S&P 500において年間でもっとパフォーマスは、月は11月と言われる。4月は11月に続き、過去30年や過去40年では、それに続く年間第2位のパフォーマンスを占める。最近では、7月のパフォーマンスが良くなっており、それでも第3番目にパフォーマンスが強い月と言える2

順位過去10年過去20年過去30年過去40年
1位11月(4.1%)7月(2.5%)11月(2.6%)11月(2.0%)
2位7月(3.4%)11月(2.3%)4月(1.9%)4月(1.4%)
3位4月(1.3%)4月(1.8%)10月(1.5%)7月(1.4%)

4月のリターン分布

過去40年の4月の月間リターンの出現回数を0.5%刻みに分けてカウントして棒グラフ化したもの(ヒストグラム)が以下である。

分かること
・月間平均リターンは1.4%
・プラスリターンになる確率は70% (水色の部分: 40年中28年)
・リターンが0%から1.5%の区間に32.5%(13年分)が集積しており安定したリターンを出す月
-5%以上のリターンになる確率は5%
・5%以上のリターンになる確率は15%
・正規分布を使うと
 - 68.3%の確率で、-2.7%から5.5%のリターンが得れる
 - 94.5%の確率で、-6.8%から9.6%のリターンが得れる

4月の年別S&P 500 ベストリターン

4月のベストリータンは、2020年のコロナパンデミックの発生による3月の下落からの回復のきっかけとなった2020年4月である。過去40年で見ると、2009年4月(リーマンショックからの回復)や2003年4月(ドットコムバブルからの回復)などの大幅下落からの回復のきっかけとなった月が多い。

この他もランクインしているのは、2021年4月や2019年4月。この年は年間パフォーマンスもかなり良い年である。上昇率と上昇確率が高い4月が良ければその年のパフォーマンスは良いといえるかもしれない。

順位過去10年過去20年過去30年過去40年
1位2020年 (+12.7%)2020年 (+12.7%)2020年 (+12.7%)2020年 (+12.7%)
2位2021年 (+5.2%)2009年 (+9.4%)2009年 (+9.4%)2009年 (+9.4%)
3位2019年 (+3.9%)2021年 (+5.2%)2003年 (+8.1%)2003年 (+8.1%)

4月の年別S&P 500 ワーストリターン

上昇確率が高い4月でも大幅下落している年がある。2022年4月と2024年4月の下落を読み解くのは金利である。2022年はインフレ率が高く、FRBが急激な利上げ姿勢に転換しており、2024年4月も利下げ期待が遠のいた月である。4月は強い月だからと言って、株式市場を支配している金利の影響からは逃れらない。

順位過去10年過去20年過去30年過去40年
1位2022年 (-8.8%)2022年 (-8.8%)2022年 (-8.8%)2022年 (-8.8%)
2位2024年 (-4.2%)2024年 (-4.2%)2002年 (-6.1%)2002年 (-6.1%)
3位2025年 (-0.8%)2025年 (-0.8%)2024年 (-4.2%)2024年 (-4.2%)

4月のアノマリー(S&P 500トレンド)は?

4月は1年の中でも高いパフォーマンスを誇る年である。高い上昇確率、上昇率を誇る。状況にもよるが悪い2月から3月末までにエントリーすることによって、その後、7月末まで続く上昇を取り込めると言えよう。

  1. データは、S&P 500 Index (SPX) - Investing.comから取得したものを利用した。 ↩︎
  2. データの計測期間は、2025年が終わってないことから、1985年から2024年をベースに計測している。 ↩︎

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