投資成績は市場平均と比べるべき理由|SNSに振り回されないための考え方

投資を始めてしばらく経つと、多くの人が一度は悩むのが「自分の投資成績は良いのか、悪いのか?」という疑問だ。

SNSを見ると「今年+50%」「2年で資産が倍」といった投稿が目に入る。そのたびに、自分の成績が見劣りしているように感じ、自分の判断が間違っているのではないかと、自己肯定感が下がる人も多いだろう。

しかし結論から言えば、投資結果は他人ではなく、市場平均、つまり、TOPIXやS&P 500といった株式指数と比べるべきだ。

なぜ投資結果を「人」と比べても仕方がないのか?

結論から言えば、人との比較は再現性がないからだ。

そもそも、比べたところで真似できないし、再現もできない

SNSに流れてくる投資成績はどこまで行っても「切り取られた一部」だ。その1人のインフルエンサーにとっては正しい数字かもしれないが、多くの市場参加者にとってはどこまでいっても切り取られた一部であることは変わりがない。

また、うまくいった取引だけが強調され、失敗した投資や大きな損失は語られない。投資エンターテイメントとして失敗した投資を過剰に宣伝しているケースもある。

そもそも、投資成績は以下の条件で大きく変わる。
1) 投資期間 長年積み上げてきた長期投資に短期で勝つことは難しい。
2) 投資金額 資金量によって取れるべきリスクは異なる。
3) 取っているリスク 含み益バリアの量など許容できる下落幅は人それぞれ違う。
4) 運用スタイル 専業で投資をしているのか、それとも兼業でやっているのか?

これらの条件が違う以上、他人と単純比較しても意味はない。そして、そもそも比較したところで、その投資方法を完全にコピーしたり、その投資手法が実現した投資商品も買うこともできないからだ。

市場平均(株式指数)は「全投資家の平均点」

市場平均とは、株式市場全体の成績を示す指標だ。米国株であればS&P500、日本株であればTOPIXとなる。できるだけ主要な株式指数と比べることで、市場に参加している無数の投資家の平均点との比較が可能になる。

誰か一人の成功談ではなく、全体の平均と比べる。これが最も正当な評価方法になる。

何より、これで比べて投資成績が劣っているのであれば、投資スタイルを株式主力のインデックス投資に切り替えれば、その市場平均に近い成績を獲得することができる。なお、市場平均よりも劣後していてもそれは問題ない。なぜなら、プロの投資家も指標平均に勝ててないからだ。

正しい投資成績の測り方

投資成績を測る際は、「どの市場平均(株式指数)と比べるか」「どの指数タイプを使うか」「どの期間で比べるか」この3点を揃えることが重要になる。

どの市場平均(株式指数)と比べるか

日本株中心でやっているのであればパフォーマンスはTOPIXとの比較、米国株中心でやっているのであればS&P 500となるだろう。

どの指数タイプを使うか

比べる株式指標はトータルリターン・インデックス、つまり、配当込みの数字が良いだろう。これがわからなければプライス・インデックスで比べればいい。

どの期間で比べるか

期間についても、比較したい期間と完全に揃える必要がある。多くの人は年単位でパフォーマンスを把握しているはずだ。

SNSを見て不安になる人ほど知ってほしい

SNSで投資成績を見て、自分が取り残されると感じ、焦りや不安を生むのは、FOMO(取り残される恐怖)と呼ばれる人間の心理によるものだ。これは誰もが感じる自然な感情であり、感じること自体が悪いわけではない。

ただし、FOMOとの正しい付き合い方は知っておくべきだ。

高い投資成績を求めすぎると、SNS上の投資詐欺や甘い話に心が動きやすくなる。しかし、常に投資成績を市場平均で比べていれば、うまい話に違和感を持てる確率は確実に上がる。

投資は競争ではない。市場平均という物差しを持つことで、投資はもっと冷静で、続けやすいものになるだろう。

-投資不安