投資を始めると、ニュースやSNSから大量の情報が流れ込んでくる。「この投資情報は信じていいのか?」「誰の意見を参考にすべきか?」多くの初心者投資家が、ここで判断に迷う。
最大の問題点は、整合性がなく「米国株は高すぎる暴落は近い」と「AI相場はまだ三合目」、「競合の進化を見るとOpen AI陣営は危ない」と「Open AIのデータセンターが足りない」というような形で真逆の情報が乱れ飛んでくる。
これでどんどん不安が増幅されて、一番重要なのは続けることなのに、ちょっと儲かっただけでインデックスファンドを売ってしまう。この「投資情報はどこまで信じていいのか?」という疑問は、多くの投資家が一度は直面する問題である。
では、これらの整合性がなく、何を信用していいかわからない投資情報はどこまで信じて、どのように解釈していけばよいのだろうか?
結論から言えば、投資情報は「信じる・信じない」で判断する対象ではない。自身の思考を助ける有益な材料となるだけだ。投資は自己判断だということである。では、どうやって自己判断できるように情報を処理していけばいいのだろうか?
投資情報は「当たる・外れる」で信じるべきではない
投資情報について、よく見られる評価軸がある。
当たったアナリストや投資インフルエンサー → 優れている、信頼できる
外れたアナリストや投資インフルエンサー → 役に立たない、逆神
しかし、この評価軸はそもそも無理がある。なぜなら、短期的な相場の動きを継続的に正確に当てることは、プロの投資家であっても極めて困難である。ましてや、毎日大量の情報を発信するメディアやSNSであれば、「外れたように見える発言」が目立つのは構造上避けられない。
例えば、著名アナリストの予想は必ずしも当たらない。そして、必然的にメディアでは「外した」という批判をされているが、会社をクビになっている形跡はない。むしろ、高給を取りながら(これは私の推察であるが)、また外した予想をしている。つまり、予想を完全に当てるというのは無理なのである。
ポイントは背景情報について詳しく解説していることと言える。この背景情報を深く読み込んで、いろいろな判断が出来れば良いのである。最終的な予想もアナリストは言うが、背景情報を理解した上で各投資家が最終的な予測をすればいいだけである。
テレビやSNSで発言する著名な投資家は、必然的に「外した」と批判されやすい。
発言回数が圧倒的に多い、表現が断定的になりやすい、発言が半永久的に記録される、著名コメンテーターはとにかく、逆神になりやすい。その代表例が、ジム・クレーマー氏ともいえる。
毎日テレビで発言しているジム・クレーマー氏が一言、一言正しいというのも無理がある。
投資情報は3種類に分けて考えると判断しやすい
事実3種類とは以下の3つ、ニュース(事実)、解説・意見(解釈)、エンターテイメント (娯楽)である。
その1: ニュース(事実)
決算発表、経済指標の発表、政策金利変更などの政策決定情報、大物投資家の保有割合の変化など、これらは事実である。この事実自体が、必ずしも売買情報に結び付くわけではない。
その2: 解説・意見(解釈)
アナリストの見解や市場見通し、これらは解釈である。その1のニュースをどう解釈するかである。大抵はその1のニュースが発表され、その結果市場が動いたら、その状況を見て解説や意見がなされる。アナリスト予想が、実際起こっていることの後追いなのもそうである。
その際に注目したいのは、ニュースをどのような視点で解釈しているかの根拠である。過去データに基づいて言っているのかなど、何を根拠に解釈しているかということである。アナリスト予想は、多くの場合、企業の利益成長予想である。
その3: エンターテイメント (娯楽)
テレビ番組、SNSの煽り投稿、強い言い切り表現、大胆な予想などは、注目を集めること目的としたエンターテイメントである。それなりに根拠があるかもしれないが、地味な情報だと誰の注目も集められない。
例えば、長期投資家として知られるウォーレン・バフェット氏は、いきなり長期保有ではなく、打診買いをすることで知られている。つまり、ポートフォリオに入ったら長期的に保有することは決定したわけではない(詳しくは以下の記事を参考に)。
ただし、このような打診買いなどを書くとエンターテイメント性は低くなる。分かりにくいからである。つまり、バフェット氏が新しい銘柄をポートフォリオに入れると一斉に投資エンターテイメントして様々な憶測記事が出る。もちろん、打診買いの可能性などは言及する人は少ない。
これがニュースやSNSの特性でもある。分かりやすさや注目を集めることが主目的だからだ。当サイトのようにいろいろと書くととにかく分かりにくいし、そしてSEOで勝てないのだ(このサイトは全然アクセスはありません)。このような投資エンターテイメント情報は無視するのが一番良い。
投資情報を信じていいか判断する方法
ここまでくれば簡単だ、
その1: ニュース(事実) → そのまま受け入れる。
その2: 解説・意見(解釈)→ そうなった思考情報を抜き取り参考にする
その3: 投資エンターテイメント (娯楽) → 面白いなと思って楽しむが投資判断には入れない。
のどれなのかを切り分けて考えればよい。
発信者と発信場所の確認
ただし、現実にはその2とその3の切り分けが難しい。その場合は発信者や発信場所の確認が重要だ。やはり、テレビ番組のような場所だと、どうしても面白さが優先されてしまう。そうなると、すごく高いか、すごく低いかの予想をせざるを得ない。
また、投資情報で利益を得ている人も同じで面白さを優先しないと情報が売れないだろう。そのようなことを考えていけば、自ずから、投資エンターテイメントが切り分けられるだろう。
まとめ:投資情報は「信じる対象」ではない
投資情報は、信じるか信じないかで判断するものではない。事実なのか、解釈なのか、エンターテイメントなのかを切り分け、自分の判断を助ける材料として使うだけである。
投資で最も危険なのは、情報を疑わずに信じることでも、すべてを無視することでもない。自分の判断軸を持たずに、他人の意見に委ねることだ。とにかく情報を血眼になって探すよりも、どんな情報でも、自分では判断できるようになる、そのための投資理論や投資戦略の理解を深めたほうが効率的だろうと考えている。
投資情報をどう使うかを理解するだけで、不安に振り回される投資からは確実に一歩抜け出せる。合わせて投資詐欺についての記事も是非読んでほしい。

