株式トレードで勝つ

S&P 500の年間周期性(アノマリー)を使って儲ける?

S&P 500(米国株)には季節性があるといわれている。この季節性をマスターすることで株式トレードの勝率を高めるという考えある。というのも、個別株の事情で動くことももちろんがあるが、市場全体の動きによって左右されることもあるからだ。また、株式指数を購入してトレードする場合は、直接的に利用することができる。

S&P 500の1年間の周期性(アノマリー)

以下が1年における月間パフォーマンスの周期性だ1

過去10年平均、20年平均、30年平均で若干違うが似たようなパターンが読める。それは

1月は、市場はそこまで強くない(年末に株が上がっていることが多いから上昇疲れ)
2月は、市場の閑散期、一般的にマイナスリターンを示す。
3月は、年間で言えば中程度のリターンを占めす。
4月は、3月よりも強いリターンを示す。
5月は、1月と同じくパフォーマンスは強くない。
6月は、1月、5月と同じく方向感に乏しいが、平均でマイナスリターンを示す、2月、8月、9月ほど悪くはない。
7月は、年間で一番強い11月に次ぐ程度のリターンを示す。
8月は、夏休みの為、市場は低調。平均でマイナスリターンを示す。
9月は、年間通じて最も株価が下がりやすい月と言える。
10月は、年末ラリーに向けて上昇基調がスタートする。
11月は、非常に強い。年間通じて最も強い月である。この月はアメリカで選挙がある月でもあるので、政治的に何かが決まる=不透明感が払しょくされるという月でもある。
12月も、強い。11月の非常に強いがある程度続く。

9月が悪く11月が良いという話

以下の表で見れば「9月が悪く11月が良い」という話が良くわかる。過去、10年、20年、30年と期間をかけても、この説には揺るぎがない。

月間ベストパフォーマンス ランキング

過去10年平均過去20年平均過去30年平均
1位11月11月11月
2位7月7月4月
3位10月4月10月

月間ワーストパフォーマンス ランキング

過去10年平均過去20年平均過去30年平均
1位9月9月8月
2位2月6月9月
3位8月1月2月

S&P 500の1年間の周期性(アノマリー)をトレードに使う

トレードに使うために期間をまとめていると以下のようになる。

3月から4月、7月、10月から12月というのが、ポジティブリターンを出すシーズンと言えよう。これをいつ買って売るかという視点になると以下のチャートが役にたつ。Bが買うタイミング、Sが売るタイミングである。

2月末に買って4月末で売る。6月末で買い、7月末で売る。9月末で買って12月末で売ることをベースに考えるのが良いのではないかという、いつのアイディアができる。

S&P 500の1年間の周期性(アノマリー)に大統領選サイクルを考慮すると

政治的と経済は密着している。11月のパフォーマンスが良いのも政治的な不透明さがなくなるというところが大きい。そこで、大統領就任年を過去30年、7サイクル分追加してみた。

その結果、全体的なトレンドは大きく変わらないものの、一般的にパフォーマンスが良い大統領就任年ということで、パフォーマンスが大きく上振れしている線が表れた。大統領就任年は、その不透明さからも年初のパフォーマンスはあまりよくないが、平均的には3月末に購入すれば、その後7月末までの強いパフォーマンスが体験できる。9月末から12月末までの力強いパフォーマンスも健在だ。

周期性(アノマリー)はあくまでも参考までに

ここで紹介してきたデータは、あくまでも過去平均であり、周期性も過去平均を見ればという話だ。平均の元データになった年もそれぞれ事情があり、すべて周期性通りに動いているわけではない。

周期性はあくまでも投資を考える上での1つのインプットであると想定していただければよいだろう。そうなりやすいとそうなるは違うものである。

  1. S&P 500 Index (SPX) - Investing.com のデータを元に集計した。 ↩︎

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