よーし、株を買うぞ!企業分析をはじめよう!といっても何から手をつければいいのか分からない人が多いのではないだろうか?
この企業分析には、いろいろな分析の手法があるが、もっとも使われている指標であるPER(株価収益率)を使った指標がわかりやすい。
PERとは
PERというのは、 株価収益率といわれ、今の株価を一株当たりの利益(EPS)で割ったものである。このEPSは、その企業がたたき出した利益を総発行株式数で割ったものであり、1株あたりの企業の稼ぐ力だ。つまり、
PER = 今の株価 ÷ (一株当たりの稼ぐ力=当期純利益 / 発行済株式数)
という計算式になる。 わかりやすくいうと、
株価=企業価値は、利益の何年分になるのか?
といえる。PERが10であれば、今年の利益の10年分ということになる
1. なぜPER(株価収益率)が使える指標なのか?
株価分析の目的は割安な株=企業を見つけることがすべてた。この場合、多くは企業Aと企業Bを比べるということを行う。ただし、企業と企業というのは、かなり比べにくいものなのだ。
企業を人として例えてみよう。また、ここは投資をお金を貸すということに読み替えてみよう。そうすると、aさんと、bさん、どっちがお金が返ってきそうか考えてみるということは、割安な株=企業を見つけるということに近い。
aさんは、結構適当で、bさんは、誠実だと、あなたが思っていても、ほかの人は実際に違う印象を持っていたりする、そこで、定量的に比べられるために指標が必要だ。例えば、年収。
aさんは、年収1000万円、bさんは、年収500万円だとする。そうすると、明らかにaさんのほうがお金が戻ってきやすいことが想像できる。
PRE(株価収益率)もこのようにそれぞれ違う企業を比べるための指標である。本来的には、なかなか比べにくいものを比べているので、PERで比較するときには、代替似た企業を比べることが重要になる。
2. 低いPER(株価収益率)を見つけるべきなのか?
一般的に言えば、高いPERが、割高の株価といえる。ただし、必ずしも割高の株価と言えないのが、株価分析の難しい所である。
aさんとbさんの話に戻ろう。年収だけ見れば、aさんにお金を貸したら、戻ってきやすいと判断した。ただし、aさんは、50歳でリストラまじかで生活苦、bさんは、23歳の新卒社員だとする。どう考えてもbさんのほうが、お金を貸しても戻ってきそうなのは、bさんということになる。
いろいろな可能性、バックグラウンドを持っているため、まったく同じ人はいない。そこで、年収もだけでは比べられない。PER(株価収益率)も同じことである。
企業が高い成長=株価が高くなる一時的にPERが高くなってもおかしくない。成長株を見つける投資法で有名な投資本である「ミネルヴィニの成長株投資法 - 高い先導株を買い、より高値で売り抜けろ」では、長期的に成長する前段階で、多くのPER高くなっており、PERが高くて利益の伸びが大きいものを狙えと説いている。
ここまでくると、もうよくわからなくなってる人も多いだろう。よって一般的には以下のようなことを行う
- 調べたい企業の名前を決める。
- 業種やその他の指標をもとに類似企業の一覧を作る
- それらの企業のPERを比べる。
これであなたもアナリストだ。
3. PER(株価収益率)の比較を簡単にこなうためには
世の中は便利なもので、このようなことを行うツールが多数無料で用意されている。有名なところでは、マネックス証券の銘柄スカウターというものがあるが、私は、TradingViewというツール(もちろん無料で使える)を株式スクリーナーというツールを使っている。
TradingViewの株式クリーナー
上記では、日本の株式市場において低PER株の代表例である「銀行」というキーワードで
1) 株価の上昇がある程度見込める時価総額が2000億円以下の企業
2) PERを低い企業をならべてみる
ということをやった表である。
宮崎銀行が一番安いPERと出ているが、この宮崎銀行が本当に大丈夫なのかよくわからない。そこで、注目したのは、京葉銀行だ。
京葉銀行といえば知らない名前ではない。そこで、この京葉銀行が何でこんなに安いのかを様々な指標から調べて、買うべきかを判断する。
京葉銀行とは
・第2地銀としては、北洋銀行に次いで第2地銀としては2番目の規模を誇る。
・井村銘柄として最近有名な富山第一銀行(貸出総額0.8兆円)も第2地銀、でも、京葉銀行(貸出総額3.4兆円)よりも規模はずっと小さい。
・バブル後、規模が小さく乱脈経営がしやすかったので第2地銀は破綻が相次ぎ人気はない。
・地方銀行のPERはとにかく安い
・打診買いがしやすい641円 * 100株 = 6.41万円が最低購入価格
これで買うか買わないかを考えるとのが、PER(株価収益率)を使った企業分析の最も簡単な説明といえるだろう。